「ココシリ」のストーリー
中国が原始のままの姿で残されている広大な無人地帯ココシリ。海抜4700メートルの厳しい自然に抱かれたこの土地は、チベットカモシカの生息地として知られている。だが、20年のあいだに乱獲により、生息数は百分の一に激減。密猟を取り締まる民間のマウンテン・パトロール隊は、武器も車も食糧も乏しいなか、密猟者との命懸けの戦いを強いられていた。ある日、隊員のひとりが密猟者に殺される事件が発生。その調査にやって来た記者のガイ(チャン・レイ)は、マウンテン・パトロールのリーダー、リータイ(デュオ・ブジエ)に取材を申し込む。パトロール活動は、想像を絶する過酷さだった。ユク谷で、パトロール隊のトラックが銃撃される事件が起こり、運転手が死亡。その先には、ガス欠になって打ち捨てられた密猟者のトラックが放置されていた。車内にチベットカモシカの毛の痕跡を認めたリータイは、主犯を必ず追いつめると心に誓う。密猟者に雇われて毛皮の下処理などを行う農民の集まり捕らえるガイたち。彼らは放牧で暮らしていけなくなったため、手を染めたと言う。追跡の任務についたパトロール隊員のひとりが、高地で疾走したために肺気腫にかかる。リータイは肺気腫の隊員を町へ連れ帰り、医者に診せる任務をリウ(キィ・リャン)に託した。押収したチベットカモシカの毛皮を売り、治療費と追加物資の金を捻出するよう命じるリータイの言葉を聞き、ショックを受けるガイ。こうしなければ部下とココシリを守れないと答えたリータイは、顔や手に泥はついているが、魂は清らかだと言う。トラックを降り、道なき道を徒歩で登りはじめたリータイたちは、ついに密猟の主犯たちに追いつくのだが……。