解説
フィンランドの首都ヘルシンキの街角でオープンした小さな食堂を舞台に、3人の日本人女性が繰り広げる穏やかな日常を綴ったドラマ。監督は、「バーバー吉野」の荻上直子。出演は小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ。「過去のない男」のマルック・ペルトラが共演。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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如庵
「かもめ食堂 Ruokala Lokki」2006年; 荻上直子監督
あまり馴染ないフィンランドはヘルシンキに、サチエ役の小林聡美演が食堂をオープン。まず客として、片桐はいりのミドリ、次にもたいまさこのマサコが店を訪れ、店を手伝い仲間になっていく。3人は、受け入れ、また受け入れられることで、同じ何かを共有し、擬似家族のように絆を深める。シンクロしてなかなか馴染めなかったこの食堂も、ヘルシンキの街を受け入れ、また受け入れられる。リアリズムというより主観的で、言葉はまるで舞台の台詞のようだが、それが繊細な人間の関係性の距離感と、きわめて緩い独特な空気感を醸し出している。
「かもめ食堂」のストーリー
夏のある日、ヘルシンキの街角に「かもめ食堂」という小さな食堂がオープンした。店主は日本人女性のサチエ(小林聡美)。献立はシンプルで美味しいものを、と考えるサチエは、メインメニューをおにぎりにした。しかし、客はなかなかやってこない。それでもサチエは毎日食器をぴかぴかに磨き、夕方になるとプールで泳ぎ、家に帰ると食事を作る。サチエは、毎日真面目にやっていれば、いつかお客さんはやってくると思っていた。そんなある日、ついに初めてのお客さんの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)がやってきた。その日の夕方、サチエは書店のカフェで、難しい顔をして『ムーミン谷の夏まつり』を読んでいる日本人女性ミドリ(片桐はいり)に声をかける。フィンランドは初めてというミドリの話に何かを感じたサチエは、自分の家に泊まるようすすめる。そして、ミドリはかもめ食堂を手伝い始める。ある日、サチエがひとりで店番をしているかもめ食堂に、ひとりの中年男(マルック・ペルトラ)がふらりと入ってきた。訳ありげな佇まいの男は、美味しいコーヒーを入れるコツをサチエに伝授すると、またふらりと出て行く。そんな頃、またひとり、訳ありげな女性、マサコ(もたいまさこ)がヘルシンキのヴァンター空港に降り立った。スーツケースが運ばれてこないために、毎日空港へ確認に行かなければいけないマサコもまた、かもめ食堂を手伝うようになる。かもめ食堂は次第に人気が出はじめ、日々は穏やかに過ぎてゆくのだった。
「かもめ食堂」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「かもめ食堂」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2005 |
公開年月日 | 2006年3月11日 |
上映時間 | 102分 |
製作会社 | 日本テレビ/バップ/幻冬舎/シャシャ・コーポレーション/パラダイス・カフェ/メディア・スーツ |
配給 | メディア・スーツ |
レイティング | |
カラー/サイズ | カラー |
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