解説
「静かなる男」と同じくジョン・フォードとメリアン・C・クーパーが主宰するアーゴシイ・プロ製作の1949年作品。すでに3回映画化されているピーター・B・カインの原作を、「黄色いリボン」のローレンス・ストーリングスと「静かなる男」のフランク・S・ニュージェントが脚色し、「栄光何するものぞ」のジョン・フォードが監督したテクニカラー作品。撮影は「静かなる男」のウィントン・ホック、音楽は「黄色いリボン」のリチャード・ヘイゲマンの担当。主演は「静かなる男」のジョン・ウェイン、「アパッチ砦」のペドロ・アルメンダリス、「黄色いリボン」のハリー・ケイリー・ジュニア(初出演)の3人で、「静かなる男」のワード・ボンド、「リオ・グランデの砦」のベン・ジョンソン、「アパッチ砦」のメイ・マーシュ、「静かなる男」のミルドレッド・ナットウィック、ジェーン・ダーウェルらが助演する。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
-
89bubble93
-
ミャーノフ大佐
ジョン・フォード、ジョン・ウェインの映画で名作といわれていた映画。どこかで見たいと思っていた映画。
映画タイトルから聖書の3賢人をモチーフにしていることは想像していたから、まあ、宗教色のある映画だとは想像していた。
まず、出だしからジョン・ウェインが悪人出あることに驚いた。昔の映画は勧善懲悪が基本なので、主人公が悪役なのは、しかもジョン・ウェインが、悪役と言うことは、最後は死ぬのか、いや、ジョン・ウェインの映画に限ってそんなことはないのでは、と思いながら観ていた。
でもラストはなあ。やっぱりジョン・ウェインの映画なんだなあ。
ふむふむと思いながら観ていた。色濃くキリスト教保守派のメッセージにあふれていた。もともとアメリカは清教徒が退去して移住したこともあり、福音派が多いので、このような映画が受け入れられ易いのだろう。時代も第2次世界大戦後で反共の嵐であったろうし。
面白かったが、宗教色プンプンなところがマイナス点。
「三人の名付け親」のストーリー
アリゾナのウェルカムにやって来た3人の男が、突然町の銀行を掠奪して砂漠の中に逃れていった。3人のうち首領格は逞しいボッブ(ジョン・ウェイン)で、あとの2人は中年のピート(ペドロ・アルメンダリス)とまだ年若いキッド(ハリー・ケイリー・ジュニア)であった。烈日を浴びて砂漠を行く彼らは渇に苦しんだが、深傷を負っているキッドは1人耐えがたかった。砂漠には所々に旅人のための水槽タンクがあり、彼らはその1つであるマジャヴ・タンクへと急いだが、そこはすでに町の役人スイート(ワード・ボンド)が部下とともに先回りしていた。彼らは追手の裏をかき逆戻りしてテラピン・タンクへ向かった。そこには1台の幌馬車が止まっており、中に1人の若い婦人がいた。ニュー・イエルサレムから来た彼女は身重の体であり、まもなくピートの世話で赤ん坊を生み、3人に赤ん坊のことをくれぐれも頼みながら死んでいった。3人は途方にくれたが、婦人の残していった聖書に力を得てニュー・イエルサレムに赤ん坊を連れて行くことにした。しばらくしてテラピン・タンクに来たスイートは幌馬車の中に残されていた婦人の衣類が彼の姪のものであると知って、3人が彼女を殺したものと思い、ますます彼らに対する憎悪に燃えた。その頃3人は死の苦しみと闘っていた。キッドは死に、ボブとピートは赤ん坊をいたわりながら砂漠をさまよったが、突然ピートは足を折り、いまはこれまでと自殺した。ボブは1人、最後の力をふり絞り、倒れては立ち遂々ニュー・イエルサレムに辿り着いた。スイートはボブを捕らえた。一部始終を聞いた彼は、憎悪の念も消え感謝の気持ちさえ湧いた。だが銀行掠奪の罪は消えず、ボブは自ら名づけ親となったこの赤ん坊をスイート夫人の手に預け、潔く引かれて行った。
「三人の名付け親」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
