解説
フランドル地方の小さな村。美しいその土地で、少女バルブはあらゆる人間の罪を背負うように男たちとセックスを重ね、バルブを想うデメステルは彼女の強い感情に導かれるように、世界の果ての戦場へと駆り立てられていく。罪は許され、いつか癒されていくことはあるのか? 2006年カンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞作品。監督・脚本はブリュノ・デュモン。
ユーザーレビュー
「フランドル」のストーリー
フランス最北部・フランドル地方の小さな村。そこにわずかに人間が住まう。少女バルブ(アドレイド・ルルー)もそこに生きる。彼女の周りには幾人かの男たちが取り巻いている。デメステル(サミュエル・ボワダン)、ブロンデル(アンリ・クレテル)はそういった男たち。デメステルはバルブに心を奪われている。ブロンデルは彼女を誘った。彼女はそんな男たちとセックスを重ねる。デメステルはバルブへの強い想いを自分でもどう扱っていいかわからない。しかし彼はバルブとブロンデルが仲睦まじく連れ立っているのを目にしたことで動揺する。そんな男たちの想いとは別に、バルブはセックスを重ねる。男たちは戦場に赴く。男たちがいなくなったその地で、バルブはさらに男を求める。ゲリラ隊として戦場に赴いたデメステルとブロンデルたち。彼らの兵士としての暴力行為は日に日に残忍さを増していく。子供を殺す、女兵士を幾人もでレイプする。一方バルブは日に日に精神のバランスを失っていく。精神病院の車が到着し、彼女を別の場所へ運んでいく。ブロンデルが仲間からはぐれた。残った兵士たちも、道すがらひとりの農民を惨殺したことで、ゲリラに捕らえられる。敵の陣地に到着するとすでに捕まっていたブロンデルが暴行をうけていた。混乱に乗じてその場から逃れたデメステルとブロンデルは、熱帯雨林の中を逃げている。しかしブロンデルは足を撃たれ動けなくなる。敵が迫っている。デメステルはブロンデルを見捨てることを瞬間的に考える。彼は数日前、ブロンデルから「バルブが自分の子を宿している」ということを聞かされていた。ブロンデルはデメステルに見捨てられると悟ると、絶叫する。デメステルはひとり帰還した。果てしない農地はまたしてもデメステルを飲み込む。バルブとセックスをする。何が変わって何が変わらなかったのか、デメステルにはわからないままだった……。
「フランドル」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「フランドル」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 2005 |
公開年月日 | 2007年4月28日 |
上映時間 | 91分 |
製作会社 | 3B Productions=Arte France Cinema=Crrav Nord-Pas de Calais=Le fresnoy=Studio National des Arts Contemporains |
配給 | アルバトロス |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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