「モンテーニュ通りのカフェ」のストーリー
ジェシカ(セシル・ド・フランス)はマコンからパリにやってくる。ジェシカの祖母(シュザンヌ・フロン)は、美しく高貴なものに憧れるも手に入れることができず、ホテル・リッツの清掃係として働いたことがあった。その話を聞いていたジェシカは、パリ8区モンテーニュ通りのカフェ・ド・テアトルで給仕の職を得る。由緒あるそのカフェには、有名人が多数訪れていた。カフェの客に有名なピアニスト・ジャン=フランソワ・ルフォール(アルベール・デュポンテル)がいた。17日にオランピア劇場でコンサートを控えた彼は、自分の活動に疑問を感じ苦悩していた。マネージャーでもある妻のヴァレンティーヌ(ラウラ・モランテ)は自身の音楽の夢を捨て夫を支えてきたが、夫の姿を見て不安を覚える。同じく17日に、収集した美術品全てをオークションにかけようとする初老の資産家グランベール(クロード・ブラッスール)がいた。数年前に妻を亡くし、若い愛人ヴァレリー(アネリーズ・エスム)を囲っている。彼は、妻との思い出深いブラクーシ作の彫像も競りにかけようとしている。息子のフレデリック(クリストファー・トンプソン)は父と会うために美術品の展示会場を訪れ、カフェで父と再会する。父との確執を抱えたフレデリックは、カフェでジェシカと出会い、恋に落ちる。女優のカトリーヌ・ヴェルセン(ヴァレリー・ルメルシエ)はシャンゼリゼ劇場で、17日に初日を迎える芝居の稽古をしていた。彼女は今の自分のキャリアに満足せず、芸術映画への出演を切望していた。そんな彼女がカフェにいると、憧れの監督ソビンスキー(シドニー・ポラック)が現れる。オランピア劇場の管理人クローディ(ダニ)は、退職の日を控えていた。かつて彼女はミュージシャンを目指したが、自分にない才能を持った人々を支える側に回った。そして17日。それぞれの場所で、それぞれのドラマが始まった……。