解説
激しい暑さにむせぶフロリダを舞台に、謎めいた女と出会った若い弁護士が遺産相続を背景にした恐ろしい罠にまきこまれてゆく姿を描く。製作はフレッド・T・ガロ、監督・脚本は「レイダース 失われた聖櫃<アーク>」の脚本を手がけたローレンス・カスダン、撮影はリチャード・H・クライン、音楽はジョン・バリー、編集はカロル・リトルトン、製作デザインはビル・ケニーが各々担当。出演はウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、リチャード・クレンナ、テッド・ダンソン、J・A・プレストン、ミッキー・ロークなど。
ユーザーレビュー
「白いドレスの女」のストーリー
その年のフロリダの夏は、とくにむし暑かった。事務所を構える弁護士ネッド・ラシーン(ウィリアム・ハート)は、親友で地元の検事であるピーター(テッド・ダンソン)と刑事オスカー(J・A・プレストン)と共に行きつけのコーヒー・ショップに入りびたり、暑さを嘆いていた。その晩、涼しさを求めて海岸沿いの野外ステージをぶらついていたネッドの前を、白いドレスを着た1人の女が通り過ぎた。栗色の長い髪、美しいボディ・ラインをもつその女に、ネッドは思わず目を奪われた。立ち止まりタバコを吸うその女に彼は声をかけるが、彼女は、自分には夫がいるといってつき離し・パインウッドに家があるとだけ言い残して立ち去った。幾晩かパインウッドをドライブして、やっと彼女を見つけたネッドは、彼女の名がマティ・ウォーカー(キャスリーン・夕ーナー)といい、夫が20歳も年上であることを知る。2階のベランダに沢山の風鈴をもつ彼女の豪邸を訪れた彼は、そこで無理やり彼女を抱いた。外出が多く、しかも中年じみた夫エドムンド(リチャード・クレンナ)にうんざりしていたという彼女は、ネッドに激しく燃えた。数度の激しい逢いびきの後、当然のように2人の間に殺意がめばえた。早速エドムンド殺害の準備を開始するネッド。爆弾のプロ、テディ(ミッキー・ローク)から特殊爆弾を入手し計画は実行された。マティは未亡人になり、しばらく2人は会わないで過ごした。そんなある日、ネッドはマティの弁護士から呼び出され、遺言状が変更されていることを聞く。当初、遺産の半分は姪のヘザーにゆくことなっていたが、それに疑問点が生じた。フロリダ州法律では疑問点がある場合は遺言状が無効になり全部がマティのものになるというものだった。その遺言状にはネッドとマティの親友メリー・アンのサインがあったため、エドムンドの死とネッドとはもは無関係でなくなってしまったのだ。そんな彼にピーターとオスカーも疑惑の目を向け、マティは相当の悪女だ、近づかない方がよい、と彼に忠告した。確かにマティには不審な行動が多かった。それをあおるように、テディから、マティが例の爆弾を買ったという情報。そしてメリー・アンも行方不明…。やがてネッドのもとにマティから電話が入り、ボート小屋への呼び出しがかかった。それは罠だった。ボート小屋の戸をあけたとたん爆発するというものだ。それに気づいたネッドは小屋の近くでマティを待ちぶせ、彼女に銃を向けた。ネッドの命令で戸を開けにいったマティが、やがて暗闇の中に消え、その直後、大爆発が起こった。彼女はやはりネッドを愛していたのだろうか…。彼女の死で事件は終ったかのように思えた。しかし、ネッドは信じなかった。彼の推測どおり、爆発した小屋で発見されたマティの死体は、メリーだった。
「白いドレスの女」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「白いドレスの女」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1981 |
公開年月日 | 1982年2月27日 |
製作会社 | ラッド・カンパニー |
配給 | ワーナー・ブラザース |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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