解説
女性特有の愛憎の心理構造を鋭くえぐった作品。製作・監督は「刑事マディガン」のドン・シーゲル、トーマス・カリナンの原作をジョン・B・シェリーとグライムス・グリスが共同脚色、撮影はロバートの息子ブルース・サーティーズ、音楽はラロ・シフリン、編集はカール・ピンジトアが各々担当。出演は「真昼の死闘」のクリント・イーストウッド、ジェラルディン・ペイジ、エリザベス・ハートマン、ジョー・アン・ハリス、パメリン・ファーディンなど。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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ミャーノフ大佐
ドン・シーゲル監督だが、クレジットではドナルド・シーゲルとなっていました。割とこういう例はあるのね。ケン・ローチ監督が若い頃の作品はケネス・ローチになっていたり。
邦題がちょっと成人映画っぽくって、公開時、クリント・イーストウッドが成人映画に出ているのか、と思ったことを記憶している。ストーリーも当時の映画雑誌から少し憶えていて、南北戦争の兵士が女の館に迷い込んで、くらい憶えている。
クリント・イーストウッドの設定は北軍の兵士(ジョン・マクバーニー伍長)で、南軍が支配する地域で重傷を負い、女学校の生徒に助けられる、から話が始まる。
まあ、女だらけの学校で大人の女や年長の生徒なんかは男に飢えているし、伍長も元気になってくれば、それに元々女たらしだから、そりゃ話がややこしくなってくるわな。映画の途中途中でフラッシュバックで登場人物たちの秘密が暴かれる。結局、ああ、女は恐ろしや。伍長ももっと上手く立ち回れば、女学校を支配下におけたのに。
この映画は、スリラー?サスペンス?面白く見せてくれたが、特に感動もなく、及第点というところか。
「白い肌の異常な夜」のストーリー
南北戦争末期、南部のある深い森の中にファンスワース女子学院があった。戦火を避け自給自足の生活をおくる女たちは、院長のミス・マーサー(ジェラルディン・ペイジ)、教師のエドウィーナ(エリザベス・ハートマン)、キャロル(ジョー・アン・ハリス)、ドリス、ジャニー、亀の子をペットにしている10歳のエミー(パメリン・ファーディン)などであった。ある日、きのこ採りに森の奥に入ったエミーは、血みどろで倒れている兵士を発見して悲鳴をあげた。女たちは学院にその男をかつぎ込んだものの、兵士が敵方の北軍の軍服を着ているのに気づき困惑した。しかし、傷ついた男を敵側に渡すこともできず、女たちは手当てをして看病を続け、南軍の巡視隊の目をうまくかわした。間もなく生気を回復した兵士ジョン・マクバーニー伍長(クリント・イーストウッド)に、しかし女たちの欲望が渦巻き始めたのだ。成熟した体を持て余すキャロル、精神的に傾斜するエドウィーナ、そして院長もマクバーニーに心惹かれた。そして、彼女たちの嫉妬と憎しみが頂点に達した時、逆上したエドウィーナはマクバーニーを階段の上から突き落としてしまった。その傷が化膿すると、院長は自ら指示してナイフとノコギリを持ち出し、彼の脚を切断してしまった。麻酔から覚めたマクバーニーは、脚を切断したのは院長の嫉妬心からだと喚きたて、院長の近親相姦の秘密を知ると、それをたてにとって、学院の支配者はオレだとうそぶいた。憎しみを抱いた院長たちは毒きのこで彼を殺害しようと思いついた。マクバーニーに亀の子を殺されたエミーが毒きのこを採ってきた。しかし夕食の時、マクバーニーの態度は一変し皆に無礼を謝り、学院を出て行くといって、好物のきのこ料理をうまそうに食べた。その彼の手からフォークがポトリと落ちた。
「白い肌の異常な夜」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「白い肌の異常な夜」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1971 |
公開年月日 | 1971年12月4日 |
製作会社 | ユニヴァーサル作品 |
配給 | CIC |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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