解説
1950年代のアメリカを舞台に、新興宗教のカリスマ教祖と彼の右腕となり教団にのめり込んでいく男の姿を描くヒューマンドラマ。監督は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン。出演は「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のホアキン・フェニックス、「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマン。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
うーん、この怪しげな団体に共感が持てなくてのめり込めなかった。確かにホアキン・フェニックスの演技はすごかった。フィリップ・シーモア・ホフマンの気持ち悪さもいいでしょう。でも、なんかそのいかがわしさに共感できないので、また、それを批判的に描いているのでもないので、どうも距離を置いてみてしまった。
この集団のモデルはアメリカでは宗教団体として認められているらしいが、欧州、特にドイツやフランスではカルトと認定されてるとの事。そしてトム・クルーズがその信者とのこと。
映画の中で教団が言っていることが無茶苦茶(一部の人は共感するかもしれないが)で、なんで人々がこんなのに引っかかるのかがわからない。
確かに映画として、カメラ、色彩が変わっていて一風変わった世界観は出しているが。
すごいのは、ラスト、ホアキン・フェニックスがガリガリに痩せていたこと。君はロバート・デ・ニーロか。
それと、エンドクレジットが流れた最後「The End」の文字が出たこと。最近の映画で「The End」が出るのってないじゃない?
「ザ・マスター」のストーリー
第二次世界大戦末期。海軍勤務のフレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)は、ビーチで酒に溺れ憂さ晴らしをしていた。やがて日本の敗北宣言によって太平洋戦争は終結。だが戦時中に作り出した自前のカクテルにハマり、フレディはアルコール依存から抜け出せず、酒を片手にカリフォルニアを放浪しては滞留地で問題を起こす毎日だった。ある日、彼はたまたま目についた婚礼パーティの準備をする船に密航、その船で結婚式を司る男と面会する。その男、“マスター”ことランカスター・ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、フレディのことを咎めるどころか、密航を許し歓迎するという。フレディはこれまで出会ったことのないタイプのキャラクターに興味を持ち、下船後もマスターのそばを離れず、マスターもまた行き場のないフレディを無条件に受け入れ、彼らの絆は急速に深まっていく。マスターは“ザ・コーズ”という団体を率いて力をつけつつあった大物思想家だった。独自の哲学とメソッドによって、悩める人々の心を解放していくという治療を施していたのだ。1950年代。社会は戦後好景気に沸いていたが、その一方では心的外傷に苦しむ帰還兵や神秘的な導きが欲されていた時代であり、“ザ・コーズ”とマスターの支持者は急増していった。フレディにもカウンセリングが繰り返され、自制のきかなかった感情が少しずつコントロールできるようになっていく。マスターはフレディを後継者のように扱い、フレディもまたマスターを完全に信用していた。そんな中、マスターの活動を批判する者も現れるが、彼の右腕となったフレディは、暴力によって口を封じていく。マスターは暴力での解決を望まなかったものの、結果的にはフレディの働きによって教団は守られていた。だが酒癖が悪く暴力的なフレディの存在が“ザ・コーズ”に悪影響を与えると考えるマスターの妻ペギー(エイミー・アダムス)は、マスターにフレディの追放を示唆。フレディにも断酒を迫るが、彼はそう簡単にはアルコール依存から抜けることができなかった。やがてフレディのカウンセリングやセッションもうまくいかなくなり、彼はそのたびに感情を爆発させ、周囲との均衡が保てなくなっていく……。
「ザ・マスター」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ザ・マスター」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2012 |
公開年月日 | 2013年3月22日 |
上映時間 | 138分 |
製作会社 | Weinstein Company, The=Ghoulardi Film Company=Annapurna Pictures |
配給 | ファントム・フィルム(提供 ファントム・フィルム=東宝) |
レイティング | R-15 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビーSRD/DTS |
公式サイト | http://themastermovie.jp/ |
コピーライト | (C)MMXII by Western Film Company LLC All Rights Reserved. |
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