舞台がサラエボで、現在のサラエボが写されていて、ここまで復興したんだ、と感動する。
映画の前半は恋だの好きだのの映画で、撮り方、演出も平凡でつまらない映画だった。舞台をサラエボにしながらこんな映画にするのかよ。時代はサラエボにオリンピックが来る直前だから1983年くらいか。で、前半はつまらないが後半になって徐々にサラエボの紛争が少しずつ描かれてくる。それは後半、押してくるほど描かれ方が厳しくなってくる。それでも、あんな紛争の中、子どもを産むとか、代理母を求めるとか、好きだとか、愛しているとか。もっと違う、サラエボの紛争について描くべきでしょ。サラエボ紛争がドラマの背景になってしまっているのがすごく不満。ラストに秘密が明かされるのだけど、そうなんだ、大変だったよね、位になってしまう〔ちょっとけなしすぎ)。サラエボを舞台とするならテーマが違うよね。
ユーゴ紛争について、そしてサラエボの市街戦について。あの頃、オリンピックまで開催したサラエボで市街戦が行われるなんて、そして街が破壊されていくなんて信じられなかった。いや、そもそも20世紀も終わり頃になって、しかもヨーロッパの土地であんなジュノサイドが、民族クレンジングが行われることが信じられなかった。ユーゴスラビアは第2次世界大戦後、チトー大統領が多民族国家をまとめ上げて国を作ったが、チトーが死ぬとたちまち、民族間、地域間の紛争が始まった。分離独立はいいとしても、あんな虐殺が行われるなんて。そしてイスラム教徒もキリスト教徒も一緒に仲良く暮らしていたのに、それが殺し合うなんて。そこの所、繰り返し映像で伝えてほしい。
ペネロペ・クルス、相変わらずきれいだなあ、でもずいぶん老けたなあ、と思っていたが、あの老け顔は特殊メイクなのね。きれいなおっぱいを出すシーンがあるけど、必然性は感じなかったなあ。あと、これこそ老けたジェーン・バーキンがでていたが、もっと映画全体に関わる役をしてほしかった。
邦題、これじゃ訳わかんないよ。