いちご白書

いちごはくしょ
上映日
1970年9月26日

製作国
アメリカ

制作年
1970
上映時間
109分

レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

アメリカの学園紛争の中に描かれたある青春。製作は「汚れた7人」のアーウィン・ウィンクラー、とロバート・チャートフのコンビ。監督はテレビ出身の新人スチュアート・ハグマン。ジェームズ・クーネンの原作を新進劇作家イスラエル・ホロヴィッツが脚色。撮影はマイク・マークィリーズ、音楽はジョニー・ミッチェルほか、美術はジョージ・W・デイヴィス、プレストン・エイムズ、編集はマージョリー・ファウラー、フレドリック・スタインカンプ、ロジャー・J・ロスがそれぞれ担当。出演は「去年の夏」のブルース・デイヴィソン、「勇気ある追跡」のキム・ダービー、ほかにバッド・コート、マーレイ・マクロード、ボブ・バラバン、ダニー・ゴールドマン、エドラ・ゲール、それに原作者のジェームズ・クーネン、脚色のイスラエル・ホロヴィッツなど。1970年(第23回)カンヌ映画祭で審査員賞を受賞。メトロカラー、メトロスコープ。1970年作品。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

    この映画は若い頃から観たい映画の一つであった。バフィ・セント=メリーの「サークル・ゲーム」はラジオから何度も流れていた。この曲は、あの時代を醸し出す1曲でもあった。(他にもB. J. トーマスの「雨にぬれても」とか「卒業」で流れるサイモン&ガーファンクルとか)。
    映画を見始めて、ああ、あの頃の映画だと。例えば「卒業」とか、「フレンチコネクション」とか。これはフィルムの粗さとか、退色具合とかから来るのか、それとも撮り方自体によるものなのか、分析できてないんだけど。
    でも見進んでいくうちに、こんな映画だったのか。「statement」はやっぱり「The Strawberry Statement」だったのか。これは、私が年を取り過ぎてしまった為か。
    学生運動に参加していく動機なんて、以外と小さかったのかもしれない。女の子が可愛かったから、とか、周りが運動に参加していったから、とか。
    当時、この映画がヒットしたのは、同時代を生きた学生が共感したからかもしれない。今の私は、そこまで共感できなくなっている。
    ちなみに、ユーミンは私より年上だけど、全共闘世代では無い。ウィキでみると、制作者が同時代らしい。日本では運動は残らず、曲だけが残ったなあ。

「いちご白書」のストーリー

サイモン(ブルース・デイヴィソン)の大学は、目下ストライキ中だ。学校当局が、近所の貧しい子供たちの遊び場になっている土地に、予備将校訓練隊のビルを建てようとしたのが、そもそもの始まりだった。これに社会不安、政治状況がからみあって、騒ぎは深刻の度を加えていった。サイモンはボート部員で、学校友だちのチャーリー(ダニー・ゴールドマン)と同居していたが、ある日、見物がてら警備線の張りめぐらされた、構内に入って行った。チェックを受けて本館に入ると、内は占拠学生で賑わっていた。総長室で用を足すカップル、天井から入り込むベントン博士(イスラエル・ホロヴィッツ)、オルガナイザーのエリオット(ボブ・バラバン)、議長役の学生(ジェームズ・クーネン)、など、サイモンの好奇心を刺激してやまなかった。そこで、偶然、校門のところで魅かれた女の子に出会った。彼女はリンダ(キム・ダービー)といい、女性解放委員をしていた。リンダと知り合ってから、サイモンは積極的に闘争に参加するようになり、舵手のエリオット(バッド・コート)を、篭城組にひき入れてしまった。しかし、リンダには、闘争に対するサイモンの態度が気に入らず、またボーイフレンドのいる身で、いつもサイモンと一緒にいることにもたえられず、彼から去って行ってしまった。リンダのいなくなった篭城生活は、サイモンにとって、バラ色の光を失ってしまったが、反対にゲバルト闘争に対する本質的な眼が開きはじめた。そして、右翼のボート部員ジョージ(マーレイ・マークロード)に殴られたことから、急速に、運動の渦中へ入っていった。その彼の意識の高揚を待ち受けていたかのように、リンダが彼のところへ戻って来た。彼女と同じ目的のため、手をたずさえて行動することに、彼ははじめて、すがすがしい生き甲斐のようなものを感じた。時が経つにつれて、当局の腐敗が暴露され、学生の怒りは、奔流となってあふれ出した。ついに、当局は実力行使を決定。武装警官隊は州兵の応援を得て、バリケードを破り、屋内に突入して来た。講堂に数百名の学生たちが集結していた。侵入者たちは、大義名分を盾に、暴力をふるい、襲いかかった。学生たちは、学内いっぱいに波紋のような輪をつくり、怒りをころして抗議をつづけていた。しかし、棍棒はようしゃなく振りおろされ、輪はたちまち寸断されてしまった。学生たちは、次々に排除され、サイモンとリンダもその中にいた。2人は、たがいにかばい合い、権力の暴力に抵抗した。棍棒がリンダの顔を鮮血で染めた。サイモンは純粋な怒りをもって、警官に躍りかかっていった。だがやがて、学生の反抗は、圧倒的な武力の前に鎮圧されてしまった。しかし、いま、沈黙をよぎなくされた、これら若き怒りたちは、明日の反乱の日を求めるかのように、学内を彷徨い続けていた。

「いちご白書」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「いちご白書」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1970
公開年月日 1970年9月26日
上映時間 109分
製作会社 ロバート・シャートフ=アーウィン・ウィンクラー作品
配給 MGM
レイティング
カラー/サイズ カラー

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