人生フルーツ
じんせいふるーつ- 上映日
- 2017年1月2日
- 製作国
- 日本
- 制作年
- 2016
- 上映時間
- 91分
- レーティング
- 一般映画
解説
東海テレビが製作したドキュメンタリーシリーズ第10弾。敗戦をきっかけに戦後復興のために日本住宅公団に入社し、高度経済成長期を通じて数々の都市計画に関わってきた90歳の建築家・津端修一と87歳の妻・英子の信念ある丁寧な暮らしぶりを追う。ナレーションを務めるのは、「海よりもまだ深く」の樹木希林。監督は「神宮希林 わたしの神様」の伏原健之。2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン文化映画1位。
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この作品のレビュー
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「人生フルーツ」のストーリー
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てたもの。四季折々、キッチンガーデンで育てられた70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わる。刺繍や編み物から機織りまで、英子さんは何でもこなす。たがいの名を「さん付け」で呼び会う長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に彩られている。1945年、厚木の飛行場で敗戦を迎えた修一さんは、新しい時代のためには住宅再建しかない、と考え、アントニン・レーモンド事務所に勤めた後、1955年に創設された日本住宅公団に入社する。東京大学のヨット部員だった修一さんが、国体出場のために英子さんの実家の酒蔵に泊まったことをきっかけに2人は知り合い、1955年に結婚。造り酒屋の一人娘として厳しく育てられた英子さんだったが、自由を尊重する修一さんのお陰で、臆せずものが言えるようになったという。やがて、東京の阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わった修一さんは、1960年、名古屋郊外のニュータウンの設計を任されると、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したプランを立案。しかし、経済優先の時代がそれを許さなかった。当時の日本は、東京オリンピックや GDP世界第2位といった事象に象徴される高度経済成長期。結局、完成したニュータウンは理想とは程遠い無機質な大規模団地だった。修一さんは、それまでの仕事から次第に距離を置くようになる。そして1970年、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめた。それは修一さんにとって、ごく自然なライフワークとして継続されることになる。あれから50年、ふたりはコツコツ、ゆっくりと時をためてきた。そして、90歳の修一さんに新たな仕事の依頼がやってくる。
「人生フルーツ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「人生フルーツ」のスペック
基本情報 | |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2017年1月2日 |
上映時間 | 91分 |
製作会社 | 東海テレビ放送 |
配給 | 東海テレビ放送(配給協力:東風) |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | 16:9 |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | http://life-is-fruity.com/ |
コピーライト | (C)東海テレビ放送 |
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