解説
監督自身の体験を軸に綴られるドイツ発のドキュメンタリー。認知症を発症した妻と彼女を支える夫、そして彼らの子供である監督や姉たち。認知症介護についてそれぞれが悩みながらも、それを契機に夫婦や家族の絆を強めていく様子を愛とユーモアを交え映し出す。監督は、本作が長編第2作目となるダーヴィット・ジーヴェキング。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「わすれな草(2013)」のストーリー
認知症になった母グレーテルの世話を手伝うため、ドイツ・フランクフルト近郊の実家へ帰ってきたドキュメンタリー作家のダーヴィット・ジーヴェキング。父マルテは、長年妻を介護してきたが、さすがに疲れてしまったらしい。放送局に勤務し、番組の司会者も務めたグレーテルは、1966年、マルテと結婚。その後マルテと共に社会主義ドイツ学生連盟(SDS)の活動に参加。この活動によりドイツの大学での職を追われたマルテとともに、政治的な活動に没頭するようになる。だが2005年、彼女の記憶力減退が明らかになり、その後日々の活動が次第に制限され、2008年にアルツハイマー型認知症と診断された……。それから4年。ダーヴィットは母の世話をしながら、昔からの親友であるカメラマンと共に、母と過ごす最期の時間を映像に記録する。理性的だった母は、病によってすべての抑制から解放され心の赴くまま自由に過ごしているように見える。自分が若返った気になった母はダーヴィットを夫だと思い込み、父が思わず嫉妬する。かつてはドライで個人主義的に見えた父と母の夫婦関係も、いつしか愛情をありのままに表す関係へと変化。記憶を失っていく母の病は、夫婦、家族にとって、新たな“はじまり”となっていくのであった……。
「わすれな草(2013)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「わすれな草(2013)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 伝記 |
製作国 | ドイツ |
製作年 | 2013 |
公開年月日 | 2017年4月15日 |
上映時間 | 88分 |
配給 | ノーム |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
公式サイト | http://www.gnome15.com/wasurenagusa/ |
コピーライト | (C)Lichtblick Media GmbH |
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