解説
「淵に立つ」の深田晃司監督が、インドネシアを舞台に紡ぎ出すファンタジー。海岸で倒れていた謎の男を預かることになった災害復興の仕事をしている貴子。息子のタカシたちと共に男の身元を捜索するなか、その周りで次々と不思議な現象と奇跡が起こり始める。出演は「結婚」のディーン・フジオカ、「南瓜とマヨネーズ」の太賀、「2つ目の窓」の阿部純子、「ほとりの朔子」の鶴田真由。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「海を駆ける」のストーリー
インドネシア、スマトラ島北端に位置するバンダ・アチェの海岸で男(ディーン・フジオカ)がひとり倒れている……。日本からアチェに移住し、NPO法人で地震災害復興支援の仕事をしている貴子(鶴田真由)は、息子・タカシ(太賀)と暮していた。タカシの同級生クリス(アディパティ・ドルケン)、その幼馴染でジャーナリスト志望のイルマ(セカール・サリ)が、貴子の家で取材をしている最中、日本人らしき男が海岸で発見されたとの連絡が入る。まもなく日本からやって来る親戚のサチコ(阿部純子)の出迎えをタカシに任せ、貴子は男の身元確認に向かう。記憶喪失ではないかと診断された男は、しばらく貴子の家で預かることになり、海で発見されたことからインドネシア語で“海”を意味する“ラウ”と名付けられる。だが彼に関する確かな手掛かりはなく、貴子と共にタカシやクリス、イルマ、サチコもラウの身元捜しを手伝うことに。片言の日本語やインドネシア語は話せるようだが、いつもただ静かに微笑んでいるだけのラウ。そんななか、彼の周りで不可思議な現象と奇跡が起こり始めるのだった……。
「海を駆ける」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「海を駆ける」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ファンタジー ドラマ |
製作国 | 日本 インドネシア フランス |
製作年 | 2018 |
公開年月日 | 2018年5月26日 |
上映時間 | 107分 |
製作会社 | 日活=東京テアトル=アミューズ=太陽企画=朝日新聞社=TBSサービス=Comme des Cinémas=Kaninga Pictures(企画制作:日活) |
配給 | 日活=東京テアトル |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://umikake.jp/ |
コピーライト | (C)2018「海を駆ける」製作委員会 |
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