映画のスタートは画面分割しながらクレジットが流れてくる。そしてナレーションで「1976年に戻る」となって映画はスタートする。当時のフランス領ジブチで外国人学校のスクールバスがテロリストにジャックされて、隣のソマリア国境との非武装地帯でバスが止まる。そこから話が展開していく。で、まあ、お定まりのストーリーだけど、事実なんだからしょうがない。
さて、そこからフランスの特殊部隊(5人)が編成されて、なんだが、途中、これはコメディなのかな、と思ってしまった。バカな設定が多いので、これはフランス流コメディのつまらない版かな、と思っていたら、後半シリアスになってくる。で、特殊部隊のくせに緊張感がないんだなあ。大体、政府から派遣されているのに、ジブチまで飛ぶのに、民間機で行くの?専用機は出してくれないの?民間機に乗り込む時に、身体チェックはフリーなのに座席がない?そして脅して乗り込む?学校の先生が非武装地帯にあるバスに向かうんだけど、国境のセキュリティってあんなにバカなの?特殊部隊が現場について、バスジャック犯を殺せたタイミングがあるのに、それをしないのは何故(フランス政府の許可待ちとなっているけど)?そして状況はどんどん悪くなっていく。特殊部隊なんて決断と実行しないと、機会が回ってこないのに。で、ラストは銃撃戦になるのだけど、特殊部隊は狙撃用のライフルで、相手は機関銃。それなのに立って応戦とは!思わず、そんなバカな!最初のチャンスに実行していれば、フランス側の犠牲者は誰も出なかったのに。
ラストで、ジブチの独立とフランス特殊部隊の正式発足のテロップが流れるが、いかにもらしく、こんなシリアスな映画なんですよ、と言いたげ。映画全体として、監督が観客に対して、「どうだ、すごいだろう」といっているように見える。力がない監督が、自分の実力を認識せずに「俺はすごいんだ。」といっている映画だ。