解説
死を決意した男とそれを叶えようとする男女。3人の彷徨の旅を描く物語。北海道のオホーツク海沿岸の街で中古電器店を営む谷川章二は、人生に行き詰り、娘に保険金を残して死のうと思っていた。彼はそれぞれ人生に疲れた本多早紀、大久保幸人と出会うが……。出演は「映画 深夜食堂」の金子清文、「ワタシの中の彼女」の菜葉菜、NHK 連続テレビ小説『舞いあがれ!』の佐野弘樹。監督は、これが「YUMENO ユメノ」以来、17年ぶりの長編映画となる鎌田義孝。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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映画・音楽ジャーナリスト宇野維正16ミリフィルムの粗い解像度で捉えられた根室や釧路や室蘭の寂寥感漂う広大な風景に、斎藤ネコの抑制が効いた劇伴が流れてくるそのセッティングだけで、映画としてのツカ... もっと見る
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映画評論家北川れい子冬のオホーツク海岸のじっとりと重い灰色の冷気が、16ミリフィルムによる映像からダイレクトに伝わってくる。荒涼としたそんな風景の中を、生気のない中年男と投げやり気... もっと見る
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映画文筆系フリーライター。退役映写技師千浦僚インディーズ映画の豊かさ、良さに、観ているとこちらにアルファ波をドバドバ出させるロケーションのパワーがある。予算が潤沢な映画にはそれができない。金があることの傲... もっと見る
「TOCKA[タスカー]」のストーリー
北海道の根室にあるオホーツク海沿岸の街。ロシア人相手の中古電器店を営む谷川章二(金子清文)は、自分を殺してくれる人を捜していた。経営に行き詰まり、妻と息子に先立たれ、小学生の娘を老親に預けている彼は、せめて娘に多額の保険金を残して死のうと思っていたのだ。歌手活動をしていた本多早紀(菜葉菜)は、売れないまま 40歳近くになり、東京の芸能事務所をやめ、親に内緒で故郷の北海道に戻ってきた。結婚を考えていた相手とも、彼の浮気が原因で別れ、借金に追われていたが、それが理由というわけではなく、なんとなく生きる意味を失っていた。大久保幸人(佐野弘樹)は、詐欺まがいの廃品回収会社に勤める傍ら、盗んだ灯油を売り歩いて生計を立てていた。父親は不在で、女手ひとつで育ててくれた母は入院中。同居する妹は、行方知れずの男の子どもを妊娠しており、先の見えない生活に疲れていた。章二は、自殺サイトで早紀と知り合い、自殺では保険金の額が少ないため、事故に見せかけて殺してくれと彼女に依頼する。しかも彼はある理由から、妻の遺体を自宅に隠していた。それを知った早紀と共に、妻を埋葬するため、深夜の空き地で穴を掘っているところを、廃品を不法投棄しにきた幸人に見つかる。事情を知った幸人は、早紀と一緒に章二の希望をかなえようと計画するが……。
「TOCKA[タスカー]」の映像
「TOCKA[タスカー]」の写真
「TOCKA[タスカー]」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「TOCKA[タスカー]」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 2023年2月18日 |
上映時間 | 119分 |
製作会社 | 鎌田フィルム(制作プロダクション:コンチネンタルサーカスピクチャーズ/制作協力:ティー・アーティスト=風の色/制作=スタンス・カンパニー) |
配給 | 鎌田フィルム(配給協力=ティー・アーティスト) |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | モノラル |
公式サイト | https://tocka-movie.com/ |
コピーライト | (C)2022 KAMADA FILM |
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