BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~の映画専門家レビュー一覧

BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~

1分1ラウンドで最強を決める格闘技イベント・ブレイキングダウンを題材にした三池崇史監督による青春アクション。少年院で知り合ったイクトとリョーマが、ブレイキングダウンのリングを目指す。ブレイキングダウンを設立した元総合格闘家・朝倉未来の自伝『路上の伝説』から着想を得ている。朝倉未来やブレイキングダウンCOOを務める起業家・溝口勇児がエグゼクティブプロデューサーとして参加。主演は、総勢2,000人が参加したオーディションを経て選ばれた木下暖日と吉澤要人。
  • 文筆家

    和泉萌香

    「ごくせん」や「ROOKIES」もろもろ、私が小学生、中学生頃の「不良ドラマブーム」はすごかったと記憶しているが、いつの間にかすっかり見なくなり、「ツッパリ」どころか「不良」も死語に近づいているのだろうか(最近の不良はそういった格好をしていないと記事で読んだことがある)。物語はいたって紋切型の青春エンターテイメントで、全篇「ネット界と映画界のコラボ」の印象にとどまるが、今回が初主演の木下暖日、吉澤要人の溌剌とした姿は眩しくこれからが楽しみ。

  • フランス文学者

    谷昌親

    「クローズZERO」のスタッフやキャストが参加しているという触れ込みのせいで、最初から最後まで殴り合いをしている映画なのかと思いきや、少年院での出会いから始まるドラマとして描かれていて、不良少年ものであるとはいえ、直球すぎるほどの青春ドラマとなっている。三池崇史監督の瞬発力は随所に感じられはするが、ブレイキングダウンそのものも含めて、青春ドラマ的な親和力のなかにすべて包み込まれてしまった。「DEAD OR ALIVE」シリーズのような圧倒的爆発力が懐かしくなる。

  • 映画評論家

    吉田広明

    格闘技の試合に出場しようとしてどん底から立ち上がる少年二人と、彼らに敵対する者たちとの人間模様。最近多い不良少年抗争ものに関心のない当方でも興味深く見られたが、それにはこれが類型的物語であることも寄与してはいて、「拳で語る」という言い回し通り、殴り合いの中で互いを理解してゆき、最終的に悪人はいなくなる予定調和の展開。新人である主演の二人はじめ少年たちが見知らぬ顔なのが生々しい感触でよいだけに、カメオ出演の多さは正直鬱陶しいし醒める。

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