ゴーストキラーの映画専門家レビュー一覧

ゴーストキラー

「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの園村健介(監督兼アクション監督)と阪元裕吾(脚本)が再びタッグを組んだアクション・ムービー。大学生の松岡ふみかはある日、殺し屋の幽霊・工藤に遭遇。工藤の戦闘能力を手に入れたふみかは、その成仏に一役買うことになる。主演は「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの髙石あかり。
  • 評論家

    上野昻志

    映画において、殺し屋という存在は珍しくない。だが、こちらは、タイトル通り、ゴースト、幽霊なのだ。ただ、出没自在な幽霊でも、そのままでは、生身の人間を殺せない。そこで、彼は、自分の薬莢を拾った女子大生に取り憑き、彼女の手を借りて組織への復讐に乗り出す。いささか漫画チックな設定ではあるが、ごく普通に可愛らしい女子大生と、むさ苦しい中年男ふうのゴーストキラーとの組み合わせで見せてしまう。だが、最後の格闘では、ゴーストが肉体を得ているかに見えるのは何故?

  • リモートワーカー型物書き

    キシオカタカシ

    日本アクション界からの「ジョン・ウィック」への返歌が「ベビわる」だったわけだが、本作もその系譜……園村監督の演出はD・リーチよりもC・スタエルスキ的で歯応え十分、画面にも洋画風味が染み込んでいる。心を殺されてきた若い女性と家父長制的規範で雁字搦めにされてきた中年男性の両方が“呪縛”から解放されていく過程を活劇として表現、超常の物語が日本社会の暗い日常と接続している点も印象的。そして髙石あかりの佐藤健的“二心同体”演技に、改めてそのスター性を見た!

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    申し訳ないことに「ベイビーわるきゅーれ」を観ていないので、「いまさらそこに感心する?」みたいなことを書いていたらご容赦いただきたいのだが、三元雅芸を筆頭にアクションが素晴らしく、しかも、美しいアクションを連続した動きとして全部見せようという意思が撮影と編集にみなぎる。それだけでなく人物に魅力があるのも美点。髙石あかりと三元のコンビが面白く、ふたりの人間が出会うことによって生じるそれぞれの変化を描くという、ドラマの基本が手堅く押さえられているのが地味にいい。

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