エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)の映画専門家レビュー一覧

エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)

夢枕獏のベストセラー小説『神々の山嶺』を「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」の平山秀幸が映画化。世界最高峰エヴェレスト登頂を巡って3人の男女が織り成すドラマ。エヴェレストの標高5200m級で撮影された映像が見もの。出演は「図書館戦争 THE LAST MISSION」の岡田准一、「ふしぎな岬の物語」の阿部寛、「起終点駅 ターミナル」の尾野真千子。
  • 評論家

    上野昻志

    見所は、まず、タイトルが示している通りのエヴェレストの山嶺の壮麗さと、雪のなかで、目を開いたまま凍り付いている阿部寛の顔である。ローマ人に扮しても違和感のなかった阿部寛は、ここで、ネパールに住み着いた天才クライマーを演じているが、その大柄の体躯と髭面が目立つぐらいで、自然に溶け込んでいる。そんな彼を追って、エヴェレスト山中に入るのは、山岳カメラマンの岡田准一だが、ここで気になるのは、撮ることに固執していた彼が、途中でカメラを捨てたことだ。何故なのか?

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    ちゃんと出来てない映画ではないか。短?でマッチョという岡田准一にはトム・クルーズに対するのと似た好感を抱いている。ほとんど巨人族にしか見えない阿部寛と彼が並ぶ画が良く、クライマックスで阿部ちゃんが岡田くんの生命を救うべく彼を背負ったときに何ら不自然さがなかった(リュックぐらいに見えた)のには唸った。しかし、あの改心というか善性の発見みたいなもののためにはもっと前半で岡田氏を悪人として描くべきだ。あとタイアップのモンベルのロゴ見せが露骨すぎる。

  • 文筆業

    八幡橙

    岡田准一と阿部寛。二人の男の顔力そして眼力、その息詰まる戦いに気圧される。友情、という言葉では片付けられない、頂上に魅入られる男と男の生命を懸けた挑み。死を含め、さまざまな不安や恐怖、揺らぎを抱える人間という弱き存在が、圧倒的な自然の脅威に立ち向かう時、唯一武器となるのは、「気」の力なのだと思い知った。劇中、尾野真千子演じる涼子が口にする、「なぜ、そこまでして山に登らねばならないのか」という疑問の答えが、鑑賞中、初めてうっすら見えたような気がした。

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