グランド・イリュージョン 見破られたトリックの映画専門家レビュー一覧
グランド・イリュージョン 見破られたトリック
不正搾取された大金を奪う4 人のイリュージョニストを活写した犯罪サスペンス第2弾。あるハイテク企業の不正を暴露しようとする彼らの前に、天才エンジニアのウォルターが立ちふさがる。敵役を「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが演じる。ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、デイヴ・フランコが前作に引き続き義賊であるイリュージョニスト集団『フォー・ホースメン』メンバーに扮するのに加え、リジー・キャプランが新たに参戦。監督は「G.I.ジョー バック2リベンジ」のジョン・M・チュウ。
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批評家。音楽レーベルHEADZ主宰
佐々木敦
試写開始後10分でやっと「続篇」であることに気づいた。前作は観ていない。なので人物関係がよくわからないところもあったが、要するに前作で死んだことになってた人(複数)が生きてたってことだよね、と納得。イリュージョンの世界と言ってもリアリティはゼロ、荒唐無稽の極みと言っていいが、それを丸呑みしてしまえば馬鹿馬鹿しくて痛快で面白い。でも資料を読んで知ったんだけど、これってジェシー・アイゼンバーグが主役なの? どう見てもマーク・ラファロじゃないですか?
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映画系文筆業
奈々村久生
ハイライトは4人のマジシャンたちがセキュリティの厳しいチェックの目を盗んで金属製のICチップをカードに仕込み探知機を突破する連携プレー。マジックの要領でガードマンの目を欺きながら、一枚のカードを手の中足の中へ巧みに隠しつつ、パスを重ねて出口を目指す。荒唐無稽レベルの凄技もCGを駆使したイメージやテンポのいい編集で快感を誘う。ただ、もはや手品ではなく、映像トリックとして楽しみたい。ダニエル・ラドクリフはラスボスの定石に違わず運動量が少ない。
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TVプロデューサー
山口剛
個性的な演技派を揃え、世界を股にかけたコンゲームの続篇は前作を凌ぐ。ロンドンの大観衆を前に見せるクライマックスのパフォーマンスは、種明かしもあり見事な名シーンだ。大変に面白いのだが、深い陶酔感を覚えないのはこの映画の本質にかかわるものだろう。身も蓋もない言い方だが、飛行機や象を一瞬に消し去るマジックを眼前で実際に観れば、感嘆、驚愕するが、それを映画で観てもさほど驚かないのは、CGなどの撮影技術を使えば簡単にできることを誰もが知っているからだ。
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