あやしい彼女の映画専門家レビュー一覧

あやしい彼女

韓国映画「怪しい彼女」を「謝罪の王様」の水田伸生監督がリメイク。ひょんなことから20歳の姿になってしまった73歳の瀬山カツ。失われた青春を取り戻すため、大好きな歌を歌い、淡い恋に胸をときめかせ新たな人生をスタートさせるが……。出演は「ピース オブ ケイク」の多部未華子、「デンデラ」の倍賞美津子、「神様のカルテ」の要潤、「陽だまりの彼女」の北村匠海、「折り梅」の金井克子、「幕が上がる」の志賀廣太郎、「紙の月」の小林聡美。
  • 映画・漫画評論家

    小野耕世

    私は東京スカイツリーにあがったことはないが、この映画はそのおひざもとの街の人びとの暮しのなかにふしぎなことが起こるという喜劇。人気韓国映画を巧みに下町人情劇に生かしている。古い街の写真館というのは、どこか神秘的な雰囲気があったものだが、そこは過去の世界の映画風景にも通じるタイムトンネルのような役割を果たしているようだ。多部美華子、倍賞美津子、小林聡美など女優陣が楽しそうに女の気持ちを演じており、結果的にすてきな反スカイツリー映画となった。

  • 映画ライター

    中西愛子

    ひょんなことから、73歳から20歳の姿に若返ったヒロイン。多部未華子の確かな演技力、切れあるキュートな一挙一動、表情の七変化にいちいち目を細めてしまう。心が洗われる澄んだ歌声も披露し、彼女の魅力を堪能できる映画。多部の元の姿を倍賞美津子、その娘を小林聡美が演じている。韓国のオリジナル版では息子だが、この変更が大成功。小林(=娘)と多部(=母)のシーンが素晴らしい。母娘の絆を描くと同時に、日本を代表するコメディエンヌの邂逅と継承の瞬間でもあるのだ。

  • 映画批評

    萩野亮

    多部未華子はもともとどこか「おばあちゃん感」があるので、今回ははまり役。それだからあまり「おばあちゃん演技」を強調しすぎないでよかったとも思うけど、ここは水田ワールド、この味付けの濃さにがんばって耐えよう。世代でもないのに多部ちゃんのひばりがしみてくるなら、この映画はだいたい成功だといってよいのだろう。ところで(本作はリメイクとはいえ)近ごろ同じような設定ばかりが目立つのだけど、若返りを別の俳優で見せることがそんなにおもしろいことだろうか。

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