僕らのごはんは明日で待ってるの映画専門家レビュー一覧
僕らのごはんは明日で待ってる
「箱入り息子の恋」の市井昌秀監督が、瀬尾まいこの恋愛小説を映画化。高校の体育祭をきっかけに付き合い始めた亮太と小春。食を通して距離を縮めていく二人だが、大学生になったある日、小春は突如別れを切り出す。彼女には亮太に言えない秘密があった……。一見心が広いように見えるもののネガティブな亮太にアイドルグループ『Hey! Say! JUMP』の中島裕翔が、彼と正反対にポジティブな小春に「風のたより」の新木優子が扮し、出会いから7年越しの愛を描いていく。
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評論家
上野昻志
前回が「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」で、今回はこれ。タイトルが似ているので、時間が経つと話がゴッチャになって困る。にしても、「明日で待ってる」の「で」はなあ。澁谷で待ってるならわかるが……てことは、この明日は場所化しているのだ。で、肝腎の映画は、たそがれてる男子に積極的に働きかける新木優子が溌剌として悪くないし、監督は監督で、手の撮り方に拘るなど工夫はしているのだが、自分から別れを告げた彼女の悩みに辿り着くまでの展開が、いささかかったるい。
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映画評論家
上島春彦
回想形式だが、回想が終わったところから劇的な葛藤が始まる仕掛け。これが上手くいった。気持ちよくだまされた私。ただし長い割に説明不足で、お祖母ちゃんが不機嫌だったわけが未だに私にはわかりません。監督最大のお手柄はカー○ル・サ○ダース人形の使用である。あれがないと二人仲直りできなかったはずだから。男に対してポジティブな女というのは非モテ男子には夢みたいな状況で、相手が新木優子じゃ文句のつけようもないが、もう一人の美少女美山加恋ちゃんが少し可哀想か。
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映画評論家
モルモット吉田
新木優子の明瞭な口跡と、明るさの中に憂いを帯びた表情を垣間見せるのが良い。もっともサバサバしすぎて他人のことなど全く考えていない風なのが苛つかせるのだが。キャラとしてはいいが彼女の内面まで隠れたままなので、最後までひとり合点気味な存在にしか思えず。終始呆然としている中島がカーネル・サンダースを抱えて走るシーンなど、その前後の処理がご都合主義になってしまうので盛り上がらない。KFCが異様に食べたくなるのでプロダクト・プレイスメントとしては成功。
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