ネオン・デーモンの映画専門家レビュー一覧

ネオン・デーモン

「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督のサスペンス。トップモデルを夢見てロスへ来たジェシーはその美貌ですぐにチャンスをつかむが、次第にファッション界の毒に染まっていく。2016年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品。出演は、「マレフィセント」のエル・ファニング、「LOVE 3D」のカール・グルスマン、「ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション」のジェナ・マローン、「高慢と偏見とゾンビ」のベラ・ヒースコート、「キング・オブ・エジプト」のアビー・リー、「ダーク・プレイス」のクリスティーナ・ヘンドリックス、「砂上の法廷」のキアヌ・リーヴス。
  • 批評家。音楽レーベルHEADZ主宰

    佐々木敦

    とにかくエル・ファニングありきの映画で、彼女の容姿の魅力がヒロインのキャラクター造型に直結し、映画全体のテーマを表している。出てくる男女が次々と彼女にメロメロになっていくのだが、ああいうタイプに惹かれない人もいるんじゃないの、と思ってしまったのは事実。しかし何と言ってもレフン監督の真骨頂は、ラストのアレだろう。いやあ、やっちまったな、という感じだが、僕は大好き。あらゆる伏線が衝撃の結末に繋がる、とも言えるし、全部台無しにしているとも言える(笑)。

  • 映画系文筆業

    奈々村久生

    田舎から出てきたばかりの垢抜けない少女が慣れない都会の洗礼を受けて覚醒していく前半が面白い。特に目立ったアクションがあるわけでもないのに微妙な目つきや仕草で変化を見せていくファニングがやはり上手い。彼女の周りに現れる都会の人間は誰もが胡散臭く、業界の裏にうずまくドロドロを糧に人工的な美で武装していく虚実乱れた表現も効いている。ただ、それがある一線を超えると完全な精神世界に突入し、アートとしか言えない領域で完結している感は否めない。

  • TVプロデューサー

    山口剛

    16歳の美しいモデルを主人公にしたファッション業界の話という売りだが、そんなヤワな映画ではない。見終わって驚かれる方も多いだろう。評判になった「ドライヴ」は端正なノワールだったが、フリン監督の本来の狙いは異端と禁忌の世界にあるようだ。なにしろネクロ××××やカンニ××××の世界が日活時代の鈴木清順風のカラフルな映像で眼前に再現されるから、その辺の好きな者にはたまらない映画だ。美しくもグロテスクなグラン・ギニョールだ。パルプ版『眼球譚』だ。

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