マリアンヌの映画専門家レビュー一覧
マリアンヌ
ブラッド・ピット&マリオン・コティヤール共演で、ロバート・ゼメキスがメガホンを取ったラブストーリー。連合国軍の極秘作戦に参加し、第二次世界大戦後、ロンドンで再会した諜報員のマックスとレジスタンスのマリアンヌ。2人には、ある秘密があった……。2大スターの共演に加えて、舞台となる1940年代のカサブランカやロンドンを再現した美術も見もの。
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翻訳家
篠儀直子
オープンセットを含めた美術、衣裳の見事さにまず目を奪われる。戦時下を舞台にしたドラマには珍しく、色彩設計もゴージャス。そして、ゼメキスならこのくらい朝飯前だろうとは思うけど、フレーム内の人物や物の配置、キャメラのアングルや動きなど、各シーンの意図や象徴的意味を的確に伝える演出はやはり圧巻。あの砂嵐のなかの場面を見ると、こういうことのためならいくらでもVFXを使ってくださいというキモチになる。コティヤールの美しさはもちろん、ブラピも近年最高の美貌。
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映画監督
内藤誠
名作「カサブランカ」に敬意を表しながら、新しい技術を駆使して、黄金期のハリウッド映画の復活を試みた作品。さきの映画のハンフリー・ボガートの店も陰影に富んでいたが、ゼメキス監督は主人公たちが出会うクラブを色彩ゆたかなフアッションでかため、登場人物もいい。物語は戦時下のスパイスリラー、いやむしろブラッド・ピットとマリオン・コティヤールのメロドラマというべきか。魅力的な男女を中心にすえれば、面白い映画は出来るという企画で、昔からのハリウッド好きには受ける。
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ライター
平田裕介
少し前の作品で例えるなら「嵐の中で輝いて」「さらば、ベルリン」みたいな古色蒼然を押し出した第二次大戦下ロマンス。そう言い切ってしまえばそれまでだが、ドンパチもエスピオナージュもバランス良く配分された飽きない作りになっており、疑念に駆られたブラピが家のあちこちに置かれた鏡でコテやんの行動を探る視線を追うカメラ、壮絶で美しくもあるロンドン空襲や空中戦も魅せる。ラストで熱演を繰り出すふたりだが、感極まったブラピが鼻ちょうちんを出しそうで実にスリリング。
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