パワーレンジャー(2017)の映画専門家レビュー一覧
パワーレンジャー(2017)
日本のスーパー戦隊シリーズを下地に英語版ローカライズした特撮テレビドラマをリブート。不思議なコインを見つけ、超人的な力を手に入れた5人の高校生たち。彼らは蘇った悪の戦士リタ・レプルサに立ち向かう新たなパワーレンジャーとして選ばれたのだった。監督は「プロジェクト・アルマナック」(未)のディーン・イズラライト。ドラマ『ストレンジャー・シングス』のデイカー・モンゴメリー、ミュージシャンとして活躍するベッキー・Gら新鋭5人が、思いがけない運命に戸惑いながらも強大な敵に挑むパワーレンジャーに扮する。
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翻訳家
篠儀直子
認めざるをえないのだが、こちらの「厨二病」的な部分に働きかけてくるようなところがあって、もし小中学生のころにこの映画を観ていたら、結構ハマっていたかもしれない。夏休み映画には最適かと。一方、10代後半の少年少女が持つ痛々しさがちゃんと描かれているのが意外な魅力で、アクション映画というよりむしろ青春映画として楽しんだ。だからこれまた認めざるをえないのだが、敵とのバトルシーンがようやく始まった途端、いささか興味を失ったのも事実(やがて回復したけれど)。
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映画監督
内藤誠
日本の特撮シリーズがもとになっていると聞くと、これだけの予算を日本のスタッフに渡して制作したら、もっと面白くなっただろうと思った。アメリカの小さな町で屈折した生活を送る若い男女が変身して超能力を獲得し、自分たちの身の周りの者を救うという単純な物語なので、映像にどれだけの仕掛けと見せ場があるかが勝負。変身してしまえば、善人側のキャラクターは同じようなものなので、世界の破壊をたくらむ悪の戦士リタ(エリザベス・バンクス演)ひとりの激しさにくわれてしまう。
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ライター
平田裕介
アジア系、ヒスパニック系もメンバーに配したことで画期的だったテレビシリーズ版だが、今回はさらに貧困、自閉スペクトラム、セクシャルマイノリティなども投入しているのが当世風。未知のパワーに対峙しながらも彼らが悶々とするドラマ部分は「クロニクル」っぽくて意外と引き込まれてしまう。実際にそっちに注力しすぎているきらいがあり、それゆえに変身してバトルになだれ込むあたりが急展開すぎてノレなかったのが残念。喜々として悪役を演じているエリザベス・バンクスも◎。
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