パシフィック・リム:アップライジングの映画専門家レビュー一覧
パシフィック・リム:アップライジング
全世界でヒットを記録したアクション大作の続編。人類とKAIJUの死闘から10年。平穏を取り戻した地球に、進化を遂げたKAIJUが再び姿を現す。人類は、より洗練され、パワーアップした新世代の人型巨大兵器“イェーガー”でKAIJUに立ち向かう。出演は、「スター・ウォーズ」シリーズのジョン・ボヤーガ、「スクランブル」のスコット・イーストウッド、「キングコング 髑髏島の巨神」のジン・ティエン、「ハイヒール こだわりが生んだおとぎ話」の菊地凜子、「ちはやふる」シリーズの新田真剣佑、「クリムゾン・ピーク」のバーン・ゴーマン、「サラリーマン・バトル・ロワイアル」のアドリア・アルホナ、「パシフィック・リム」のチャーリー・デイ。
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翻訳家
篠儀直子
訓練生たちのキャラが充分立てられないまま話が進み、どのイェーガーに誰が乗りこんだのかあやふやなまま東京大決戦が始まるので、肝心のクライマックスで、怪獣と巨大ロボットのバトルだけを純粋に楽しめる観客以外はどうでもよくなってしまいそう。対話シーンのカット割りのせわしなさも、演出力に自信がないことの表われではと思ってしまう。だがそれより何より、前作の面白さは、ドラマ部分でもバトル部分でも、デル・トロの行き届いた演出あってこそだったのだと思い知らされる。
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映画監督
内藤誠
製作スタッフが日本の特撮映画を愛好し、研究しつくしているうえに、重要な舞台が東京と富士山麓だから、日本の怪獣映画ファンは大喜びするはずだ。と同時に、多様な怪獣を産み出している日本の作り手としては、これだけの製作予算が自分たちにもあればとくやしく思うだろう。昼間の撮影で怪獣が現れると、背後の建物や風景がいかにもセット然としてスカスカだったことが多いからだ。美術デザインと造り物を見ているのが楽しく、物語もKAIJU相手に感情移入できるドラマになっていた。
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ライター
平田裕介
ギジェルモ・デル・トロが関わってはいるが、前作のようなセンス・オブ・ワンダーとノスタルジーの融合は消失。謎の敵イェーガーを登場させて戦うわけだが、いかにもな怪獣とロボットの取っ組み合いが観たいわけだし、シリーズの本筋なわけで、それを新趣向として打ち出されてもという感じ。中国資本全開だけに致し方ないとは思うが、日本をめぐる要素も激減。ひとまず富士山とガンダム像を出しときゃ喜ぶだろう的な姿勢、前作の功労者である菊地凛子へのあまりにもの扱いに溜息。
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