ブルーハーツが聴こえるの映画専門家レビュー一覧
ブルーハーツが聴こえる
1995年に解散した伝説のバンド、THE BLUE HEARTSの結成30周年を記念して製作されたオムニバスドラマ。「怒り」の李相日や「大人ドロップ」の飯塚健、「キネマ純情」の井口昇ら6人の監督が、それぞれ思い入れのあるTHE BLUE HEARTSの楽曲を自由な解釈で映像化。出演は「ミュージアム」の尾野真千子、「オー・マイ・ゼット!」の角田晃広、「極道大戦争」の市原隼人、「L エル(2016)」の高橋メアリージュン、「高台家の人々」の斎藤工、「あやしい彼女」の要潤、「映画 暗殺教室」の山本舞香、「人生の約束」の優香、「ぶどうのなみだ」の内川蓮生、「葛城事件」の新井浩文、「64 ロクヨン」の永瀬正敏、「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」の水原希子、「後妻業の女」の豊川悦司、「テラフォーマーズ」の小池栄子、「淵に立つ」の三浦貴大。
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評論家
上野昻志
ブルーハーツの歌をテーマに、6人の監督が撮った短篇を束にした映画。出来に若干凸凹はあるものの、短篇ゆえにアラが気にならない。となると、皆さん、これからは短篇中心に作られては、如何でしょう! それじゃ商売にならない、と言われては仕方がないが、短くて済むのを無駄に長くしている映画が多すぎるからね。そんなのに対して、清水崇の「少年の詩」は、細部に何気ない工夫があって感心したし、李相日の「1001のバイオリン」は、彼の福島への想いが素直に胸に響いた。
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映画評論家
上島春彦
私はブルーハーツのファンじゃないのだが、素晴らしい出来のオムニバスに感激。逆に彼らのコアなファンには物語が飛躍し過ぎてなじめないかも。メンバーが出るわけじゃないし、歌詞の意図的な曲解もあるからね。井口昇の時間旅行物は彼の中でも最高傑作ではないか。映画好きならではの妄想ファンタジーが炸裂し、舞香ちゃんのシザーハンドがいい。眠れる美女(しかもヌーディ)水原希子篇とか超バブリーな「懐かCM」が愉快な優香篇とか一本ごと細部に企画のこだわりが見て取れる。
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映画評論家
モルモット吉田
平均の星を算出してトータルの数とした。「夏の妹」を思わせるメロディも心地いい井口昇の「ラブレター」は暑苦しい映画への情熱をイケメンに醜男を演じさせて成立させ、唯一映画になってる。笑いが空転する「ハンマー」、亜流の和製SF「人にやさしく」、少年の衝動が設定以上に弾けない「少年の詩」、使用曲とは無縁に映像技巧に走る「ジョウネツノバラ」、問題提起しても描くべき中心の空洞ぶりが際立つ「1001のバイオリン」。オムニバスで160分というのはどうかしてる。
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