おじいちゃんはデブゴンの映画専門家レビュー一覧

おじいちゃんはデブゴン

「燃えよデブゴン」シリーズのサモ・ハンが監督・主演・アクション監督を務めたカンフーアクション。一人暮らしで認知症気味の退役軍人ディンは、中国マフィアとロシアン・マフィアの抗争に巻き込まれた隣人の父娘を救うため、封印していた必殺拳で悪と戦う。出演は、「ファイヤー・ストーム」のジャクリーン・チャン、「グレートウォール」のアンディ・ラウ、「ライズ・オブ・ザ・レジェンド 炎虎乱舞」のフォン・ジャーイー、「わが家の犬は世界一」のリー・チンチン、ドラマ『遊剣江湖』のチュー・ユーチェン、「ドラゴン・ブレイド」のジェームズ・リー・ロイ。また、ユン・ピョウ、ユン・ワー、ユン・チウ、ツイ・ハーク、ディーン・セキ、カール・マッカ、フー・ジュン、ウィリアム・フォン、エディ・ポンといったサモ・ハンと関係が深い顔ぶれがゲスト出演している。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    面白くならないはずがない設定なのに、前半の人情話的部分が、各人物の魅力を上手く引き出せていないきらいがあり、もたついているばかりでなかなか本題が始まらないという印象を受けてしまう(ただしエピローグ部分は上手くいっていて味わいあり)。スローモーションや低速度撮影をこういうやり方で多用するアクションシーンは個人的には苦手だが、「ちょっと前の映画」の雰囲気を出そうとする狙いがあるのかもしれない。サモ・ハンのアクションはさすがの貫祿。ゲスト出演陣が豪華。

  • 映画監督

    内藤誠

    舞台はマフィア組織がからむ中国とロシアの国境の町。侘しい風景の中をすっかりアクの抜けた白髪の老人サモ・ハンが、よたよたと歩いてくると、「五福星」のジャッキー・チェンやユン・ピョウらとの青春像を記憶している者には、絵になりすぎて泣けてくる。彼がいつも通る路上で、ヒマをつぶしている年金生活三人組のなかにツイ・ハークまでいて、香港映画の笑いの伝統を守る。サモ・ハンの役は認知症初期だが、20年ぶりの監督としては部分接写のアクション撮影を多用して快調。

  • ライター

    平田裕介

    客演が目立つ、最近のサモ・ハン。それゆえに久々の主演作なうえに監督作でもあって期待したわけだが、ドラマ寄りの仕上がりに。別にそれでも構わないが、彼が認知症である設定や少女との交流という要素の活かし方が中途半端でグッとこない。とはいえ、アクションではハッとさせてくれるのはサモ・ハンならでは。関節技重視で徹底的に相手の骨を折るor砕くファイティング・スタイルは彼には珍しく、そういう点においても燃えた。大物ぶりを証明するかのような超豪華なゲスト陣も壮観。

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