ライフ(2017)の映画専門家レビュー一覧
ライフ(2017)
地球外生命体の脅威にさらされた宇宙飛行士たちの運命を映し出すSFスリラー。火星で未知なる生命体の細胞が採取され、世界各国から集められた6人の宇宙飛行士たち。国際宇宙ステーション内で極秘調査を開始するが、生命体は次第に進化と成長を遂げていき……。出演は「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール、「デッドプール」のライアン・レイノルズ、「ガール・オン・ザ・トレイン」のレベッカ・ファーガソン、「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」の真田広之、TV『ニュー・ブラッド 新米捜査官の事件ファイル』のアリヨン・バカレ、『モスクワ、犯された人妻の告白』のオルガ・ディホヴィチナヤ。脚本を「デッドプール」のポール・ワーニックとレット・リースが務め、「チャイルド44 森に消えた子供たち」のダニエル・エスピノーサがメガホンをとる。
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翻訳家
篠儀直子
ネタバレしてはならぬと厳命されたわけではないが、いろんな理由から非常にレヴューが書きづらい映画。「エイリアン」的な「宇宙密室パニックホラー映画」だという程度の事前知識だけ持って観るのがいちばんいいかもしれない。宇宙飛行士がみなすぐれた科学者であり、知的で勇敢な人たちだとわかる、地味な部分の描写が美点のひとつ。宇宙ステーション内部の構造と広さを観客に体感させる工夫があったら、あるいは、各人物の個性をもっと生かしていたら、さらに面白くなったのでは。
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映画監督
内藤誠
「ゼロ・グラビティ」以後、無重力状態の撮影は進歩が著しくリアルそのもの。フライト・エンジニアの役を熱演している真田広之にどんなトレーニングをしたのか聞いてみたいくらいだ。地球外生命体も小さな細胞から恐るべき害敵に成長するプロセスが微妙に仕上がっていて怖い。人類の科学的探究心がそいつを呼び寄せてしまったのだという教訓劇でもあるのだが、見た後の破滅的気分はたまらない。だからこそ映像技術も含め、SFの新趣向を見てみたいという好奇心は満足させてくれる。
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ライター
平田裕介
「リバイアサン」や「ヴァイラス」などに代表される、「エイリアン」フォロアー。いまやヒューマントラストシネマ渋谷でかかるか、DVDスルーで入ってくるかみたいな存在になったジャンルが、こうしたメジャー・クラスで製作されることがなんとも嬉しい。“源流”の近作2本「プロメテウス」「エイリアン:コヴェナント」が妙に高尚なノリになるなか(それはそれで良いが)、クリーチャーも人間も生存本能にまかせるままに激突するストロング・スタイルな展開にしているのもイイ感じ。
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