空飛ぶタイヤの映画専門家レビュー一覧

空飛ぶタイヤ

直木賞作家・池井戸潤によるベストセラー小説を「超高速!参勤交代」の本木克英監督が長瀬智也主演で映画化。ある日突然起きたトラックの脱輪事故。整備不良を疑われた運送会社社長・赤松は車両の欠陥に気づき、製造元・ホープ自動車に再調査を要求するが……。共演は「結婚」のディーン・フジオカ、「嘘を愛する女」の高橋一生、「超高速!参勤交代」の深田恭子、「団地」の岸部一徳、「散歩する侵略者」の笹野高史。脚本を「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」の林民夫、撮影を「ソロモンの偽証」の藤澤順一、音楽を「エルネスト」の安川午朗が担当する。
  • 映画評論家

    北川れい子

    長瀬智也が社員を守ろうとする熱血社長役ということからも、彼が逆転勝利することはお約束ごとだし、まただからこそ、原作がベストセラーになったのだろうが、それでもしっかり、うっぷん晴らしができるウェルメイドな娯楽作品である。何のうっぷんかって? ホラ、ウソが大手を振ってる現代の政……おっと、と。長瀬が自分で動き回って、欠陥車情報を集める描写に説得力があり、大手自動車会社の社員による内部告発のくだりもスリリング。ウェルメイドな娯楽作をなめんなよ!!

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    長瀬智也とディーン・フジオカのダブル主演だが自社トラックの起こした事故死がトラックそのものの欠陥だという真相を訴えそれを証明しようとする長瀬演じる運送会社社長が完全に正義のために戦う主人公であるのに対して内部告発を見せ札にして栄転するフジオカ氏の演じた人物沢田は到底良い人間だとは思えず専らそこが気になって原作を読むがそこの按配は変わらずで、昔の社会派に比べれば倫理の後退がすごいと思ったがこれが現代か。情報量と的確な演出から見応えはあり面白い。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    本作のカメラは時に“眼”となって、人や柱が被写体を遮り、手持ち撮影に切り替わることで、視覚的な“不安”を無意識に訴求させている。一方、シネスコの画角は、長瀬智也をはじめとする背の高い役者を揃えたことに向いていないようにも思える。それゆえカメラは、少し煽り気味の画角で役者の全身を撮影しようとしている。そして、物事を訴える側を目高で撮影することで対比を生んでいる。過去作品でも胸のあたりの高さを“好み”としてきた藤澤順一の撮影が活かされた結果である。

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