巫女っちゃけん。の映画専門家レビュー一覧
-
評論家
上野昻志
ちょっとした拾い物をした感じ。オッパイの有無は知らないが、大柄の広瀬アリスが、巫女姿で神社の境内を歩く姿がいい。それと、境内にこっそり隠れ、賽銭泥棒などしている悪ガキ・健太役の山口太幹がいい。彼が口をきかないようにしたのは、作り手の巧みな設定だが、無言のまま、火遊びの延長でボヤ騒ぎを起こすところなど、不貞腐れ巫女のアリスにも手に負えないクソガキぶりでよい。撮影に、本物のというか、有名な福岡県の宮地嶽神社を使えたということも大きなプラスになった。
-
映画評論家
上島春彦
ビニール袋を被る、被せる、という身振りの重要性は面白い。こういうところに監督の才能がかいま見える。だが物語設定をちゃんと作ってくれないと。女主人公がDV犯じゃないことは無能で愚劣な児相職員と神社関係者一名以外には分かっていたようなのに、誰も彼女を助けないのはヘンだ。特に親父の冷淡さは不可解の域を超える。助けなきゃ自分(神社)が困るでしょうに。それに主人公がイヤイヤ巫女をやってるのもヘン。やらなきゃ済む話でしょ。嵐大絶賛の夕日の参道は見応えあり。
-
映画評論家
吉田伊知郎
富岡八幡宮殺傷事件の直後に観たのでタイムリーな題材と思ったが、こちらは神社が舞台というだけで、その特殊性や内実は触れられず。設定ありきで辻褄合わせをする気もないらしく、暑い最中に子どもの顔をゴミ袋で覆ってヒロインが拉致し、かなりの時間を窒息状況にする描写など理解に苦しむ。広瀬アリスの不機嫌な表情のみが魅力だが、彼女が一顧だにしなかった〈信仰〉を劇的効果として使おうとしないのも不満。結局、主人公が就職をフイにしてまで神社に残る理由も分からない。
1 -
3件表示/全3件