デメキンの映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
北川れい子
見た目、すでに大人男子の2人の会話にズッコケる。お前、高校に行くんか。ともう一方、オンナ働かせて高校なんか。つまり中学生同士の会話ってワケ。若手のイケメン系が中高生を演じるのは珍しくないが、ここでは仲間もみんな大人顔で、友情と喧嘩もただバカやってるよう。そもそも実在の主人公で天下を取る(但し福岡限定)が口ぐせの佐田正樹という名も私には初耳。お笑い芸人で成功した(?)から不良時代の実話が映画化されたということだろうが、そうか不良もメシの種!?
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
本作内で漫画および映画の「ビー・バップ・ハイスクール」が出てくるがもう非常によくわかる。原作者、監督、脚本家と年齢が三歳以内のズレしかない同世代として、ものすごく影響されてる世代の実感がある。だからこれは最近の「ハイ・ロー」とか「クローズ」の雰囲気で映像化されたらダメだったと言いたい。ビー・バップ的に仕上がっている(女子が観なさそう……)のが良い。黒石高大の存在感が代表するような、チャラいイケメンにムカつかされる想いの真逆の、Vシネ感も満載。
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映画評論家
松崎健夫
この映画には、何でもない“あぜ道”が何度も登場する。また、画面奥を消失点とする“一本道”や“真っ直ぐな道”も度々登場する。それは主人公たちの“生きる道”にも見えるし、向こう側の見えない未来への不安を象徴しているようにも見える。彼らの姿は常に道の向こう側へと消えてゆき、後戻りすることはない。ただ、前進するのみなのだ。そのことは「死亡遊戯」のごとく、建物の上階と登ってゆく乱闘場面にも表れている。胆の据わった存在感を放つ今田美桜のキャラクターが秀逸。
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