キスできる餃子の映画専門家レビュー一覧

キスできる餃子

宇都宮を舞台にしたラブコメディ。地元である宇都宮に帰ってきたバツイチ子持ちのシングルマザー・陽子は、実家の餃子屋の再建と子育てに奮闘していた。そのさなか、イケメンの新聞配達青年に出会うが、彼の正体は今をときめくプロゴルファー・岩原亮だった。出演は、「アヤメくんののんびり肉食日誌」の足立梨花、BOYS AND MENの田村侑久。監督・脚本は、「クハナ!」の秦建日子。
  • 評論家

    上野昻志

    宇都宮の餃子に、子連れ離婚の女に、壁にぶつかったプロゴルファーの三題噺。離婚話の途中で切れて、亭主の顔を殴った勢いで、故郷の宇都宮に帰ってくる足立梨花扮するヒロインの跳ね方は悪くないが、肝腎の餃子作りが、見た目だけで終始するのが、なんとも物足りない。いや、餃子を焼くところは何度も出てくるよ。だけど、それ以前の、材料の選択や配合などがスルーされるので、どんな工夫がされているのか、わからない。これじゃ、タイトルが目を引いただけで中身なし、で終わる。

  • 映画評論家

    上島春彦

    宇都宮だから餃子だという御当地的態度は正しい。また主演が絶対の御ひいき足立梨花だから十分楽しめるものの、客観的にそれだけでは評価は難しい。何といっても話が薄い。餃子篇とゴルフ篇であぶはち取らずになった観がある。もっとも企画のコンセプトは二つを融合させるところにあったわけだが、ミスマッチのおかしさ狙いにしてはありきたりな出会いに終始する。男をいい人にし過ぎて喜劇風味が薄れたのではないか。それと餃子が普通。もっとデタラメな餃子を見せてほしかったです。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    何でもこなせるのが災いしてか、酷い映画にばかり出演させられているのが気の毒になる足立だが、地域振興の餃子映画でも同様。閉店した父の餃子店を出戻りの足立が引き継ぐが、最初からそこそこ作ることが出来てしまうので、そこから改良に励むなら味や食感、匂いの違いを映像でどう見せるかに腐心してもらいたかった。ラブコメ部分は足立の愛嬌で見ていられるが、感情を全部口に出してしまうので閉口。老人を嬉々として怪演し、ドライに徹する浅野和之が映画の支柱になっている。

1 - 3件表示/全3件

今日は映画何の日?

注目記事