三十路女はロマンチックな夢を見るか?の映画専門家レビュー一覧

三十路女はロマンチックな夢を見るか?

「ドクムシ」の武田梨奈が夢もない独身女性を演じたロマンティックサスペンス。30歳の誕生日まであと数日に迫った那奈の部屋に、突如銀行強盗3人が侵入。しかし彼らは全く強盗らしくなく、訳ありの様子。那奈は夢を追う強盗団の逃走劇に巻き込まれていく。監督は、のちに押井守監督が長編リメイクした「東京無国籍少女」(2012)を手がけた山岸謙太郎。強盗を働き逃げる3人を、「トモダチゲーム 劇場版」の久保田悠来、「トリガール」の佐生雪、「八月のラヴソング」の酒井美紀が演じる。
  • 映画評論家

    北川れい子

    このタイトル、「ブレードランナー」の原作として知られるフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のモジリ? だとすると30歳を目前にした主人公役の武田梨奈は、誰にもかまってもらえないアンドロイドってか。「ハイキック・ガール!」ほかのアクション映画はともかく、シリアス演技にいまいち難がある彼女だけに、アンドロイド、正解かも。それにしても3人組強盗団の素性がナサケない。でも乱暴なりに伏線とオチもある。これでもっとテンポがあれば。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    日本映画はいまだに武田梨奈のポテンシャルを活かしきれてないのではという気がする。などと言うと、駅で彼女が電車を待っているときに酔っ払いが“ちょっと蹴ってみろ”と絡んできたのと同じことになってしまうのか(という逸話を彼女は昨年末某所の一日警察署長を務めた際に披露。ふざけたことを言うてるとローキックで脚の骨を折るぞではなく、蹴りませんよ、そういう迷惑行為はやめようねという意味で)。本作は酒井美紀も美しかった。しかし武田映画としてもっとなんとか。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    フィリップ・K・ディックの小説をもじったタイトルが示すように、本作には「ブレードランナー」の小ネタやオマージュが満載。それらを探すことに気を取られていると、いつの間にか物語の本質を見逃してラストでまんまと騙されてしまうのが真骨頂。捜査や逃避行という要素においても物語がなぞられているということも、後になって気付かされる。『ワカコ酒』でも聞き心地のよいモノローグを披露した武田梨奈。「ブレードランナー」同様、これを削除したバージョンも観てみたい。

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