マイ・プレシャス・リストの映画専門家レビュー一覧
マイ・プレシャス・リスト
「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」などに出演したイギリスの新星ベル・パウリー主演によるドラマ。天才ながらもコミュニケーション能力ゼロのキャリー。セラピストから“幸せになるためのリスト”を渡された彼女は、6つの課題を1つずつ実行していく。共演は「母の残像」のガブリエル・バーン、「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」のヴァネッサ・ベイアー、「サヨナラの代わりに」のジェイソン・リッター、「ナルニア国物語」シリーズのウィリアム・モーズリー、「ザ・ライト エクソシストの真実」のコリン・オドナヒュー。音楽は「ブギーナイツ」のマイケル・ペン。「さよなら、僕らの夏」の製作を務めたスーザン・ジョンソンによる長編映画初監督作。
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批評家、映像作家
金子遊
主演のベル・パウリーの丸顔と背格好が、アメリカ留学時代に一度だけデートしたイギリス女子に似ていて驚いた。本作のベルはロンドン育ちの屈託した少女役で、独特のクィーンズ・イングリッシュのアクセントがNYでは浮いている。と思っていたら、エル・ファニング主演の「メアリーの総て」で、ベルがバイロン卿と火遊びして妊娠する義妹を演じていた。両者とも、痛い女の子を演じられる彼女の魅力があってこそ成り立つ映画。ベルが親しみやすい女優のトップに躍りでる日も近い?
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映画評論家
きさらぎ尚
もとより凡才以下の身、18歳でハーバード大を飛び級で卒業したIQ185の天才の悩みなど想像もできないが、コミュニケーション能力に問題のある辛さは理解できる。要は高知能=万能女子ではないということだ。セラピスト(演じているネイサン・レインがなぎら健壱に似ている!?)が提示した幸せになるためのリストが果たしてどれほどの効き目があるか疑問だが、やたらコミュニケーションの必要性が論じられる現代である。リストに従い克服するヒロインは嫌味がなく感じが良い。
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映画系文筆業
奈々村久生
コミュ障のこじらせ女子は結局イケメンに気に入られなければ幸せになれないのか。学力と実力が比例しないのも、ありのままの自分で生きるにはそれなりの覚悟が必要なのも承知の上だけれど、自分の能力を生かせる場所や相手を探すほうがよっぽど現代的なのではないか。ただし、主演のベル・パウリーのキャスティングは勝ち。ファニーフェイスなのにプリンセス感があってこの手のヒロインにぴったりなだけに、前時代的な価値観に基づいたドラマに説得力を持たせてしまっているのが皮肉。
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