Bの戦場の映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
北川れい子
俗言に、“美人は三日で飽きる。ブスは三日で慣れる”というのがある。この映画でお笑いのよしこが演じている主人公は“三日で慣れる”系だが、美人の頭文字もブスと同じB。いずれにしろ、B級ラブコメディとして人畜無害の作品ではある。“絶世のブス”以下、ブスの連発も陰湿さが皆無なのでただの記号ふうで、いや、それでもセクハラ絡みのことばであることは事実なのだが、主人公のキャラに自然体の愛嬌と誠実さがあり、よしこ、役者としても上々。ブス好き上司の方が差別的!?
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
面白い。本作の作り手が美人不美人の別はないとか、やっぱり心の美しさこそ大事、みたいな話で満足ではないことは、ヒロインが男に“私はブス好きだからあなたが好き”と言われて猛烈に反発するとか、彼女の個性を優しさ推しよりも立派に仕事をすること推しにするあたりにうかがえる。ガンバレルーヤよしこが完全に主役の器で走りきった。宣伝は絶対「美人が婚活~」と協働すべき。男が手前の汚いツラを棚にあげて女性の美醜を評し、それを彼女らの枷にしてきたことを問えばいい。
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映画評論家
松崎健夫
挑発的なタイトルに騙されてはならない。どんなに辛いことがあっても常にポジティブな主人公の姿は、〈人は外見によらない〉という別の意味でのステレオタイプを導きながら、人に対する優しさや仕事に対する情熱を至極真っ当に説いてゆくからだ。芸人・よしこの表層的イメージを踏襲させることで、逆説的な〈美〉を感じさせるのは、演じるウェディングプランナーの内面を丁寧に積み重ねて描いている故。「どうせ吉本の映画案件でしょう?」というステレオタイプな揶揄は必要ない。
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