ハンターキラー 潜航せよの映画専門家レビュー一覧
ハンターキラー 潜航せよ
「ワイルド・スピード」シリーズの製作陣による潜水艦アクション大作。ロシアのバレンツ海で米海軍原潜が消息不明に。ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜ハンターキラーが捜索に向かい、沈んだロシア原潜を発見。そのころ、ロシアである陰謀が進行していた。出演は、「ジオストーム」のジェラルド・バトラー、「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」のゲイリー・オールドマン、「ミレニアム」シリーズのミカエル・ニクヴィスト、「グローリー 明日への行進」でアカデミー賞歌曲賞を受賞したコモン。監督は、「裏切りの獣たち」のドノヴァン・マーシュ。
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翻訳家
篠儀直子
ロシアの大統領と国防相が、例によってなぜ英語で会話しているのかとかあるけれど、潜水艦内のシーンも、地上の特殊部隊のシーンも、ディテールからちょっとした言動まで「なるほど!」と思わせるリアリティがあり、それが全篇の緊迫感を支える。勝手なイメージかもしれないが、頭脳戦やクライマックスのまさかの決着方法は、イギリス映画ならではの面白さだと思える。ジェラルド・バトラーを筆頭に、この人の下で働きたいと心底思わせてくれるリーダーが、複数登場するのもうれしい。
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映画監督
内藤誠
国防省のクーデターで人質になったロシア大統領を第3次大戦の恐れがあるとしてアメリカの攻撃型原潜ハンターキラーが救出に向かうという途方もないストーリー。久しぶりの潜水艦もので、技術的には進歩している。だが、この一見、派手なサスペンス・アクションの核はジェラルド・バトラーが演じる、海軍兵学校も出ていないジョー・グラス艦長の言動である。原作者の一人が元原潜の艦長で、世界の破滅が個人の力量にかかっているという設定。それはさておき、彼は理想の上司だ。
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ライター
平田裕介
潜水艦だけを舞台にした話になっておらず、米特殊部隊による露大統領救出作戦がガッツリ絡んでくる。ラフでイージーなノリだが、潜水艦映画とコマンドもの両ジャンルの醍醐味を味わえるお得感があるし、スリルの配分もどちらかに偏っていない。まさかジェラルド・バトラーの艦長が、銃を手に陸に上がってしまうんじゃないかとも危惧したがそれはなし。米露の海の男たち、露大統領とその警護、特殊部隊の隊員たちと、それぞれに仁義、忠義、敬意のドラマを配しているのも悪くない。
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