アクアマンの映画専門家レビュー一覧
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翻訳家
篠儀直子
さまざまな映画や伝説の楽しいパッチワーク。海底版スター・ウォーズが展開されるだけでなく、半神ヘラクレスにも似た境遇の青年アーサーが、ヘラクレスのように各地を冒険し、やがてエクスカリバーならぬ三つ叉の槍の引き抜きに挑む。こんなに何でもCGで作れてしまっていいのかという気もするが、ここぞというタイミングで必ず決めポーズみたいに投入される、圧倒的イメージの魅力に抗するのは難しい。活劇的には、シチリア島でのアクション・シークエンスの、空間の使い方が白眉。
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映画監督
内藤誠
地上と海底とにわたるアドヴェンチャー活劇なので、海底の動きがいかに撮影されているかが最大の興味。自然に見ることができたから、映像技術の進歩にまずは感動。配役もアクアマンとしては打ってつけのタフさをもつジェイソン・モモアと赤い髪を海中になびかせて動き回るメラ、アンバー・ハードのコンビは絶妙。冒頭からアトランティス王国の元女王としてニコール・キッドマンが妖しく登場するのも作品を面白くした。ウィレム・デフォーが主人公を賢人として見守り、映画は成長物語風に。
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ライター
平田裕介
『アーサー王の伝説』と「マイティ・ソー」をブレンドしたプロットだが、鱗を模したタトゥーに長髪というワイルドな風貌、言動すべてが不遜極まりないアクアマンのキャラに惹かれて気にはならない。それでもハリウッドスター版『浦島太郎』でも見ている気になるが、奥にヒロイン、手前にアクアマンを配したレイヤー的構図で斜面状の街を戦いながら駆け下りる長回しのパルクール的アクションを繰り出したりするので気は抜けない。イルカやシャチに乗って賢人ぶるウィレム・デフォーも◎。
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