東京喰種 トーキョーグール【S】の映画専門家レビュー一覧
東京喰種 トーキョーグール【S】
石田スイの人気コミックスを窪田正孝主演で実写映画化したSFアクションホラーの続編。不慮の事故により、人を喰らわないと生きられない喰種《グール》と人間のハーフになってしまったカネキ。ある日、月山という男が現れ、カネキは喰種レストランに招待される。前作に続き、主人公のカネキを窪田正孝が演じるほか、鈴木伸之、小笠原海、白石隼也らが再集結。カネキと対峙する月山習役に「イニシエーション・ラブ」の松田翔太、ヒロインの霧嶋董香役に「SUNNY 強い気持ち・強い愛」の山本舞香が出演。監督は、数々のCMなどを手がけてきた川崎拓也と平牧和彦。
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映画評論家
北川れい子
別に“喰種(グール)”族でなくても、一般社会は喰うか喰われるかだ、などと利いたような口を利くつもりはないが、“グール”絡みで“グルメ”と呼ばれる美食家喰種が登場したのにはカンシンした。人間界もグルメ気取りの手が掛かる人種がいる。今回の見せ場は半喰種の金木と美食家喰種の激突で、これはかなり迫力がある。友情や純愛も盛り込まれ、出演者たちが若いだけに特殊な青春映画としてもワルくない。が、観ている時は引っ張られるが、消化がいいのか、観終わると何も残らず……。
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
結構人気漫画を追って読むがいまいちノレない漫画のひとつが『東京喰種』。この作品の世界観が設定に逆接した、主人公の食いたくない思いから始まることにノレてない、体質的に合わないのかも。私は食に関して綾のない退屈な健啖家。申し訳ない。想像だが本作とその世界(メディアミックス諸作)を好む人たちは偏食過食拒食の感覚がわかる人なのか。しかし美食=悪者の月山(松田翔太)というキャラはわかった。ところで本作はアクションが良くない。吊り過ぎ。窪田正孝無駄遣い。
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映画評論家
松崎健夫
本作には〈怪奇食材制作〉なるクレジットを発見できる。人間の目にはグロテスクであっても、喰種たちには美味であろうことを“食材”に感じさせなければならないため、視覚的なデザインと聴覚を刺激する〈音響効果〉によって、重要なアイテムに説得力を与えているのだ。そして、前作では喰種と人間の闘いを描くことで“相互理解”のあり方を暗喩させていたが、続篇では喰種同士の内部分裂を更に際立たせることで、支配階級が生まれる“社会構造”のメカニズムを解体してみせている。
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