LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯ての映画専門家レビュー一覧

LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て

三上博史が「予言」以来、14年ぶりの映画主演を果たした密室群像劇。歌舞伎町のラブホテル。警察官の間宮は、勤務中にもかかわらずデリヘル嬢の麗華とお楽しみ中。そこへ間宮の妻で婦警の詩織が踏み込んで来るが、取り乱した間宮は麗華を射殺してしまい……。共演は「遺体 明日への十日間」の酒井若菜、「レディ in ホワイト」の波岡一喜、「太陽を掴め」の三浦萌、「仮面ライダー1号」の阿部力。監督・脚本は、「あいあい傘」の宅間孝行。
  • 映画評論

    北川れい子

    ヒェーッ、もうお手上げ!! 薄っぺらな生臭男女たちが、ラブホの一室を出たり入ったりしながら、あっち向いて舌を出し、こっち向いてあれこれ言い訳、しかもキャラが変わっても同じことの繰り返し、さらに死人まで登場してのバカ騒ぎ、勝手にやってくれ!! 宅間孝行の作品は映画方面しか知らないが、泥臭いヒューマニズムの人という印象は悪くなかった。が今回はロクデナシたちによる墓穴掘りごっこ、観ているこちらは最後まで客席で置いてけぼり。俳優陣の怪演!? も空しい。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    手法に依拠した映画の不自由さと面白さ。キャストの熱演にも圧され飽かず楽しく観たが受け入れられないことが二つ。ひとつは最初のほうのラブシーンで、あの鎖骨にローション塗ってカラダ擦りあわせてアハーンっちゅうのは何なの。入ってないだろ。それとも私の考えるセックスの仕方が間違っているのか。妻も子もいるのだが。もうひとつは唐突で蛇足な勧善懲悪ラスト。いまだに「太陽がいっぱい」のドロンの逃げ切りを許さない感覚か。エンドクレジット途中の退出をお奨めする。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    冒頭約20分のワンカット、リアルタイム進行、密室における会話劇。これらの要素によって「劇団主宰者による演出だから舞台的なのだ」と単純に紐付けてしまうのは勿体ない。例えば、“公務員”という言葉の持つ固定観念によって観客をミスリードさせ、劇中のカメラに記録された映像を観ているという体の我々観客にフレームの外側を想像させていることを窺わせる。そして、日本映画界の現状に苦言を呈してきた三上博史が、14年もの時を経て主演を引き受けた点にも本作の意味がある。

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