キングダム(2019)の映画専門家レビュー一覧

キングダム(2019)

累計発行部数3800万部を越える原泰久の人気漫画を「BLEACH」の佐藤信介が映画化。春秋戦国時代の中国を舞台に、大将軍への夢を抱く奴隷の少年・信と、後に秦の始皇帝と呼ばれる若き王・政の戦いを、迫力のアクションを交えて壮大なスケールで描く。出演は「羊と鋼の森」の山崎賢人、「銀魂2 掟は破るためにこそある」の吉沢亮。中国ロケによる雄大な映像も見どころ。
  • 映画評論家

    北川れい子

    広大な原野での戦闘シーンや王宮セットなど、中国での大掛かりなロケが物語のスケール感になっていて、各キャラクターの衣裳やメイクも凝っている。馬やエキストラの数にも感心する。ただどうしても戦闘絵巻ふうの物語にこちらの気持ちが乗っていかず、観るというより人物やそのアクションをただ“眺めている”気分。だからかつい山??賢人がキャンキャンうるさいとか、長澤まさみの腕の肉付きに目が行ったりと、どうでもいいことばかりが気になって。大沢たかおの色気と貫祿は出色。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    こちとら四十代の男によくある横山光輝『三国志』世代。本宮ひろ志の『天地を喰らう』、ついでに『赤龍王』(項羽と劉邦もの)も通過。漫画にはまらぬ者も中学頃にゲームにはまった。「レッドクリフ」を封切りで観た際、冒頭に東宝東和がつけた? 背景解説に対して客席に満ちた、今さらそんなものいらん!の空気よ。非文芸系中国歴史愛好民よ。そこから十年、春秋戦国時代を題材に、かつて本国に召し上げられた「墨攻」に負けぬ国産の中国歴史もの。よくぞやってくれたと感無量。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    瞬きを抑制することで高貴さを表現する吉沢亮のアプローチ。無表情ながらも姿勢や所作に対する細やかな配慮によって出立ちを構築し、荘厳さを感じさせる独特のオーラを己に纏わせている。漫画原作の映画化には再現性が求められがちだが、漫画の特性でもある“明確なビジョン”を超越したキャラクターを吉沢は実践してみせている。坂口拓の傍若無人ぶり、大沢たかおの物の怪ぶりなど、脇のキャラクターにも抜かりが無い。が、一年に一本製作しても完結に十年以上を要する憂慮はある。

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