映画 少年たちの映画専門家レビュー一覧

映画 少年たち

ジャニーズ事務所社長ジャニー喜多川が企画・構成・総合演出を手がけ、1969年の初演以来上演が重ねられてきた舞台『少年たち』を映画化。少年刑務所に一人の新入りが入所。初めて心を許せる仲間と出会うが、冷酷な看守長の赴任を契機に事件が起こり……。監督は「空飛ぶタイヤ」の本木克英。ジャニー喜多川は製作総指揮を務める。SixTONES、Snow Man、なにわ男子、関西ジャニーズJr.ら東西のジャニーズJr.のメンバーが勢揃いし、少年たちの成長と再生を演じる。舞台『少年たち』のセットの元となった旧奈良監獄を中心に撮影が行われた。
  • 映画評論家

    北川れい子

    数多く登場する“少年”たちの中には、〈EXILE〉系のマッチョな“男”も少なくない。人気アイドルグループになるまでには、努力はもちろんのこと、かなりの歳月も要するということで、グループアイドルの高齢化(!?)を実感したり。それにしても本木監督がミュージカル映画まで撮るとは意外だった。ジャニーズの人気ステージの映画化だそうだが、少年たちの収監服を色分けしてのダンスバトルは、カメラ移動も面白く、それなりに楽しめる。でも一番の見所は旧奈良監獄でのロケ。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    驚いた。ジャニーズ自体が監獄みたいだと自分たちで言っちゃうのかと。あと反抗やアウトローということが記号と化してることにもめまいが。そしてこれはそんなに変でもないが、刑務所ものでありながらごく自然に男色の気配が欠落してること。その清潔さ、男性の暴力性の去勢がかの巨大カンパニーの人気の秘密だろうが。抜群な出演者らのフィジカル、それを捉える八十年代歌番組的撮影。幾重もの独自文化に包まれたジャニー氏の遺言。“少年たち”がそれをどう思うかは知らない。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    映画冒頭で展開されるワンシーン・ワンカットのダンス場面は、役者と撮影スタッフの“動き”がシンクロすることで、スピード感と躍動感を生み出しているのが出色。映画だからこそ可能な立体的な構図を導きながら、舞台版同様の“見立て”を観客に強いる演出を施している点も一興。かつて舞台版で主役を演じていた戸塚祥太が本作では“継承”を感じさせる役を演じている点に、作品自体が持つ“継承”という要素を、歴代ジャニーズたちが繰り返してきた“継承”として象徴させている。

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