映画 少年たちの映画専門家レビュー一覧
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映画評論家
北川れい子
数多く登場する“少年”たちの中には、〈EXILE〉系のマッチョな“男”も少なくない。人気アイドルグループになるまでには、努力はもちろんのこと、かなりの歳月も要するということで、グループアイドルの高齢化(!?)を実感したり。それにしても本木監督がミュージカル映画まで撮るとは意外だった。ジャニーズの人気ステージの映画化だそうだが、少年たちの収監服を色分けしてのダンスバトルは、カメラ移動も面白く、それなりに楽しめる。でも一番の見所は旧奈良監獄でのロケ。
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
驚いた。ジャニーズ自体が監獄みたいだと自分たちで言っちゃうのかと。あと反抗やアウトローということが記号と化してることにもめまいが。そしてこれはそんなに変でもないが、刑務所ものでありながらごく自然に男色の気配が欠落してること。その清潔さ、男性の暴力性の去勢がかの巨大カンパニーの人気の秘密だろうが。抜群な出演者らのフィジカル、それを捉える八十年代歌番組的撮影。幾重もの独自文化に包まれたジャニー氏の遺言。“少年たち”がそれをどう思うかは知らない。
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映画評論家
松崎健夫
映画冒頭で展開されるワンシーン・ワンカットのダンス場面は、役者と撮影スタッフの“動き”がシンクロすることで、スピード感と躍動感を生み出しているのが出色。映画だからこそ可能な立体的な構図を導きながら、舞台版同様の“見立て”を観客に強いる演出を施している点も一興。かつて舞台版で主役を演じていた戸塚祥太が本作では“継承”を感じさせる役を演じている点に、作品自体が持つ“継承”という要素を、歴代ジャニーズたちが繰り返してきた“継承”として象徴させている。
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