イップ・マン外伝 マスターZの映画専門家レビュー一覧

イップ・マン外伝 マスターZ

「イップ・マン 継承」で主人公イップ・マンのライバルとして登場したチョン・ティンチのその後を描くアクション。詠春拳の正統争いでイップ・マンと戦った後、息子と平穏な生活を送っていたチョン・ティンチが、香港裏社会の勢力争いに巻き込まれていく。主演は「グランド・マスター」、「パシフィック・リム:アップライジング」のマックス・チャン。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のデイヴ・バウティスタ、「トリプルX:再起動」のトニー・ジャー、「クレイジー・リッチ!」のミシェル・ヨーが共演。メガホンを取ったのは「グリーン・ディスティニー」、「グランド・マスター」などでアクション指導を務めてきたユエン・ウーピン。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    「イップ・マン 継承」でとても魅力的だった敵役、チョン・ティンチのその後を描くスピンオフ。戦時中に各国で製作されたナショナリズム高揚映画みたいな匂いも多少するけれど、アクションシーンでこれほど興奮させられたのは久しぶりだ。振付けも素晴らしいが、動きに合わせてのまめなカット割りもキャメラの動きも、アクションを最も美しく見せることにひたすら奉仕しているのが素晴らしい。主人公が守ろうとしていた「普通の暮らし」を、的確に描写している冒頭部分も何気によい。

  • 映画監督

    内藤誠

    イップ・マンとの闘いに敗北し、武術を捨て、小さな食料品店を営みながら、息子を育てている主人公チョン・ティンチをどこか影のあるマックス・チャンが演じているのが適役。1960年代の英国植民地下で、必死に生きようとする家族の物語にしたことで、ベテランのユエン・ウーピン監督はパターンになりがちな香港アクションを活性化している。街並みはいささか嘘っぽいが、闇の世界から足を洗おうとするミシェル・ヨーの姉と悪に徹する弟ケヴィン・チェンのサブストーリーもあって派手。

  • ライター

    平田裕介

    香港&中国を蹂躙する外国人を倒すという話は本線シリーズと変わらないが、やはりM・チャンが演じた張天志を消すのは惜しいし、彼のアクションも観たいのでそのあたりは気にならず。しかも相手はT・ジャー筆頭に腕に覚えのある者ばかり、戦いも袖看板を跳躍するものから数十人をぶちのめす大立ち回り、そしてパワー重視の巨?西洋人との激突と多種多彩なのも◎。といっても、そこも本線と変わらないが……。武術家を引退した張天志が、木人椿を洋服掛けにしているのには笑った。

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