アナベル 死霊博物館の映画専門家レビュー一覧
アナベル 死霊博物館
ジェームズ・ワン製作による「アナベル」シリーズ第3弾。超常現象研究家ウォーレン夫妻の家の地下に、厳重に封印されたアナベル人形。だが夫妻が家を空けたその日、娘のジュディら3人の少女たちが、アナベルの封印を解いてしまい、想像を絶する悪夢が始まる。出演は「gifted/ギフテッド」のマッケナ・グレイス、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」のマディソン・アイズマン、『クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴』のケイティ・サリフ、「死霊館」シリーズのパトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ。監督・脚本は前2作「アナベル 死霊館の人形」「アナベル 死霊人形の誕生」の脚本を手がけたゲイリー・ドーベルマン。
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アメリカ文学者、映画評論
畑中佳樹
人形、鏡、鍵盤、ブラウン管といったホラー・マニア垂涎の小道具がひしめく「死霊博物館」を地下に備えた一軒家で、親が留守の一夜、人物は大人未満の男女4人のみ、という構成は古典的な美しさをたたえ、まさにホラーの教科書というべき一篇だ。ただし、因縁話や精神分析といった怖さの理由の説きおこしを一切取っ払って、怖がらせる仕掛けだけがタガの外れた機械のように暴走している面はあって、それを退廃と見るか、テーマパークみたいに楽しんでしまうかは、あなた次第。
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ライター
石村加奈
「アナベル」「IT/イット」の人気ホラーシリーズの脚本を手がけてきたゲイリー・ドーベルマンがメガホンをとったシリーズ第3弾。音やスモークで恐怖を煽る古典的な演出は、呪われた人形・アナベルの物語にふさわしいが、カメラワークにもう少し工夫があれば、おどろおどろしさが増しただろうにと思う。アナベルに恐怖の世界へ引きずり込まれるウォーレン夫妻の娘ジュディをはじめ、メアリー、ダニエラはみな、ホラーの似合う美少女だが、善良なボブ少年も、意外とホラーキャラで面白い。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
ひたすら怖かった。満席の試写室で観たのだが、中盤からずっと右隣の若い女性が「ひゃっ」左隣の初老の紳士が「おぅ」と声を漏らす。そういう私も声が出ないように口を開けっぱなしにしていて、その場内の一体感たるやハンパなかった。展開はありきたりなのだが、音の緩急、余白を絶妙に残すカット割りの巧さで「体感させる」ことに成功している。やや間の抜けたラストシークエンスの最終カット、その「真実」(シリーズのファンにはおなじみなのかもしれないが)にとどめを刺された。
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