3人の信長の映画専門家レビュー一覧

3人の信長

ダンス&ボーカルユニットEXILEのTAKAHIROらが出演、信長だと主張する男たちと元今川軍との攻防を喜劇的に描く時代劇。織田信長の首を狙い3人を捕らえてきた元今川軍。真の信長を守るため、本物をあぶりだそうとする元今川軍を3人の信長は翻弄していく。監督は、「HiGH&LOW」シリーズなどの脚本を手がけてきた渡辺啓。頭が切れるかぶき者の信長・甲をTAKAHIROが、貫禄はあるがどこかずれた面のある信長・乙を「サムライせんせい」の市原隼人が、うつけ者ながらまったく読めない信長・丙を「今日も嫌がらせ弁当」の岡田義徳が、3人の信長たちに翻弄される今川軍残党の蒲原氏徳を「空母いぶき」の髙嶋政宏が演じる。
  • ライター

    須永貴子

    明暗のコントラストが強い、時代劇というよりはアクション映画のようにギラギラザラザラした画質。イラストを使った時代背景のわかりやすい説明。史実に「あったかもしれない」という自由な発想の物語と、すぐに本題に入るスピーディーな展開。さりげなくモダンな衣裳。キャスティングはもちろん、時代劇に慣れていない層を楽しませたいという意欲が溢れた作品。気軽に観られるライトなエンタメ時代劇としてアリだが、俳優の“白すぎる歯問題”はどうにかしてほしい。

  • 脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授

    山田耕大

    信長に敗れた今川の元家臣たちに、3人の信長が捕まる。家臣たちは信長の首を斬って、亡き主君の墓前に捧げなければならない。だが、3人のうち誰が本物なのかわからない。家臣たちは本物の信長が誰なのかを巡って悪戦苦闘を強いられる。だが、本物の信長が誰だかわかったとして、それがなんだと思ってしまう。史実でもなんでもないトンデモ設定なら、トンデモもないカラクリやトンデモない結末がほしいのに、実に無難にまとめている。この映画をどう面白がればいいのか僕にはわからない。

  • 映画評論家

    吉田広明

    信長が三人、誰が本物か。人里離れた廃村に舞台を限定したのは予算の制限もあるのかもしれないが、その分、脚本のハードルは確実に上がる。この作戦が功を奏しているかといえば正直微妙だ。アイデア勝負になってくるが、そのアイデアがいささかしょぼいのだ。彼らを捕らえた側の根拠は復讐だが、彼らが信長に負けたことでいかに悲惨な目に遭ったかが感じられないので動機が弱いし、そもそも全員斬ってしまえばいいではないかと思わせる時点で負けだろう。

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