三大怪獣グルメの映画専門家レビュー一覧
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フリーライター
須永貴子
この映画は「バカ映画」(※作品資料より拝借)を作ることがゴールになってしまっている。だから脚本を煮詰めず、空虚な台詞が飛び交い、おいしいとされる料理がそうは見えず、特撮のグリーンバックが目に浮かぶ。拙さの言い訳として「バカ映画」というフレーズが便利使いされているようにしか見えない。「いい大人なのにバカ映画を作っちゃう俺たち、粋だろ~」というプレイの鑑賞に、時間とお金を費やす余裕のある人向け。巨大なシーフード怪獣のデザインは味わいあり。
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脚本家、プロデューサー、大阪芸術大学教授
山田耕大
これがなぜ映画になったのか不思議と言うしかない。この手のシャレがわからないのは野暮というものなのかもしれないが、僕にはシャレになり切っていないと思えて仕方がない。おふざけ映画は大好きだが、ふざけ方も中途半端だし、笑わせようとしている工夫が、工夫と言えるものになってないと思う。ギャグはデジャブ感満載で、忘年会で上司のオヤジギャグを延々聞かされているような感じ? 往年のテレビコメディ『クレクレタコラ』が妙に懐かしく、改めて好ましく思ってしまった。
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映画評論家
吉田広明
タコ、イカ、カニが開発中の薬品によって巨大化、食ってみたら旨かったので怪獣グルメが流行るという、怪獣ものとグルメ番組を合体させた映画。「三大グルメ」の怪獣が、「三大怪獣」のグルメに、言葉遊びレベルの発想だ。デジタル化の弊害だろうが特撮、というか合成の質は限りなく低いし、有名人カメオ出演のグルメ番組演出も凡庸、登場人物の三角関係も端的に図式的、事後のドキュメンタリー番組で説明してしまう説話もどうなのか。安直な発想に見合って演出の全てが安直である。
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