ティーンスピリットの映画専門家レビュー一覧

ティーンスピリット

「メアリーの総て」のエル・ファニング主演、歌手を目指しオーディション番組に臨む女性を演じた音楽青春ドラマ。地元でオーディション番組の予選が催されることを知ったヴァイオレットは、田舎町を出て歌手になる夢を掴むため、人生を変えるチャンスに挑む。「ラ・ラ・ランド」に音楽スタッフとして参加したマリウス・デ・ヴリーズが音楽プロデューサーと作曲を、スティーヴン・キジッキが音楽監修を手がける。また、製作には「ラ・ラ・ランド」のフレッド・バーガーや俳優のジェイミー・ベルが参加。監督は、俳優や脚本家としても活躍するマックス・ミンゲラ。
  • 非建築家、美術家、映画評論、ドラァグクイーン、アーティスト

    ヴィヴィアン佐藤

    煌めくポップミュージック。ティーンの部屋の窓越しの夜空の星々よりも、壁に貼られた蛍光の星形シールやネオン管の方がずっとリアルだ。彼らの一見低温だが熱いパッションは、iPod内の窮屈そうな音楽たちそのものだ。視力低下の老眼とは裏腹に、盲目的な彼らは成長につれ現実がはっきり見えてきてしまう。『ガラスの仮面』や『あしたのジョー』のように、むしろ夢を諦めきれない大人たちを救済する選民思想なストーリー。逆光やマジックアワーがヘビトンボの幼羽を透かす。

  • フリーライター

    藤木TDC

    マイルス・デイヴィスのライブで有名な英国ワイト島に暮らす貧しいポーランド系少女が、不勤勉と自堕落を重ねつつも幾たびのミラクルに救われ、たちまちにスターに。自堕落の場面は私にも経験があり目を覆いたくなったが、主人公はあっさり克服するんだなぁ、若さって凄いと呆然。私の大好きなセイントフォー主演映画「ザ・オーディション」(84年 新城卓監督)によく似た場面が多くて後半は泣いちゃったけど(なので★1オマケ)本質は怠け者が見た白日夢。現実は甘くない。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    エル・ファニング主演作はかなり観てきているが、インディーズの小さな作りに押し込められて、じっくり取り組んだ映画がない印象がどんどん強まってくる。本作も予算の少なそうな作品で、重要な要素のはずのオーディション番組の華のなさに興を削がれる。ファニングがステージで見せるパフォーマンスも練り上げられていなくて、思春期の衝動レベルなのが簡素で夢がない。彼女がぶつかる障害はたやすく取り除かれる優しい世界なのに、ファニングの暗い演技設計も違和感がある。

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