ドクター・ドリトル(2020)の映画専門家レビュー一覧
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ライター
石村加奈
スタビンズ少年(H・コレットがチャーミング)が、オウムのポリーに誘われて秘密の入り口を抜けた先に、バーンと広がる庭園の美しさにすっかり心奪われた。蝶々が舞い、光が燦々と降り注ぐドリトル邸も、モンテベルデ島にそびえるラソーリ城も魅力的だ。ドリトル先生と動物たちのやりとりも、それぞれの個性を尊重し合っていて感じがいい。説教臭いところはまるでないが、映画の終わりには、他者を救うことが自分を救う最良の道だと腑に落ちる。R・ダウニーJr.作品にハズレなし。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
98年版は、ほとんど動物と話せる獣医師という主人公のキャラ設定のみ原作通りで、エディ・マーフィの芸達者ぶりを披露するためだけにそれを使われた感があった。本作は、登場人物、時代設定などはほぼそのままで始まる。ダウニーJr.のドリトル像はファニーで、動物たちのキャラも笑えるし、原作の要素とオリジナルの物語の相性も悪くない。だが、ダイジェストのように次から次へと移動していく展開は、スピード感があるとも言えるが、物語の魅力、冒険のスリルを半減させていた。
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