ガンズ・アキンボの映画専門家レビュー一覧
ガンズ・アキンボ
ダニエル・ラドクリフ主演のアクション。仕事の憂さ晴らしにネット荒らしを繰り返すゲーム会社のプログラマー、マイルズ。その行為に激怒した闇サイトを管理する組織のボスによって、両手に拳銃を固定された彼は、最強の殺し屋ニックスと戦うことに……。共演は「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」のサマラ・ウィーヴィング。
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
「ビデオゲームを原作とする映画」の勢力拡大だけにとどまらず、ビデオゲーム的な想像力は2020年代以降の映画を捉える上でますます重要になってくるわけだが、それとビデオゲーム的な手法を映画に援用するのはまったく別の話。これまで映画ばかり観てきたクリエイターがいきなりゲームを作ったら悲惨なことになるのと同じように、ゲーム的なモチーフと演出を無邪気に映画に持ち込んだ本作は悲惨な出来となっている。悪趣味狙いのつもりだろうが、ただ時代遅れなだけの選曲にも閉口。
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ライター
石村加奈
身バレのしないネット沼の中でだけ威勢のいい主人公マイルズ。いわく「僕は暴力とは無縁の人間だ!」と、自身の暴力性に無自覚な青年が、アキンボに仕立てられた後、24時間以内に、殺人を犯し、躊躇なく撃ち殺せるようになり、ゲームを楽しむように人を撃ちまくり、世界規模のヒーローに変身!?冴えない青年の狂気を、攻める俳優ダニエル・ラドクリフが好演。ちょいちょいジェンダー問題を刺激する台詞は狙っているのか、無自覚なのか。ギャグと音楽のセンスはいまひとつな感も。
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映像ディレクター/映画監督
佐々木誠
VFXクリエイター出身の監督らしい、まず画ありきで発想される物語、展開は嫌いじゃない(主人公が両手に銃を固定されるバカバカしさたるや)。「バトルランナー」から「スコット・ピルグリム」まで影響を受けた数々の映画を隠そうともしないのも潔いが、リミックスをオリジナルの傑作に昇華するタランティーノはやはり偉大だ、なんて関係ないことを思ったりも(今回の星取りタラ2回登場)。「ハリー・ポッター」終了後、エッジの効いた役を選びがちのラドクリフ、らしい主演作。
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