1941 モスクワ攻防戦80年目の真実の映画専門家レビュー一覧

1941 モスクワ攻防戦80年目の真実

1941年、モスクワ攻防戦に参加した若き士官候補生たちの、知られざる史実にスポットをあてた戦争アクション。ロシアに侵攻したドイツの大軍は、モスクワを目指し進撃。首都を死守するため、兵力不足のソ連軍は訓練中の学生兵を戦場に送ることを決断するが……。出演は『スターリングラード 史上最大の市街戦』のセルゲイ・ボンダルチュク。監督を「ミッション・イン・モスクワ」のヴァディム・シメリェフが務める。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    クソ真面目なロシアの戦争映画。無垢で元気な若者が次々死んでいく。泣くしかないでしょ。戦争への怒りが全篇を覆っていて、凄まじいエネルギーで描かれる。戦闘シーンもひたすら無残だ。恋愛も甘くて哀しい。真面目故に、歴史の教科書を読んでいるような気持ちにもなった。敵はどうなのか?ドイツ軍の描写がほとんどないので、わからない。いつの世も、偉い人は安全圏にいて弱いものばかり犠牲になる。美化されすぎてる気もするが、戦争って本当に嫌だというのは、伝わった。

  • 文筆家/女優

    睡蓮みどり

    本作に限らず、年々戦争映画を見るのが辛い。特にこの作品がリアリティに溢れており尚且つエモーショナルに満ちているからなのか、それとも戦争そのものがフィクションだと思えなくなってきているからなのか。たくさんの若い人たちが一瞬のうちに死んでゆく。そのことが本当に耐えがたいのだ。戦いのシーンだけでなく、メインの人物たちの友情と恋愛も見せ場としてしっかり描かれていて、クラシックな作りながらも決して飽きさせることはない。力作であることは間違いないのだが。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    スペクタクルというのは本来それだけで成り立つようだ。スペクタクルは作劇を必要とせず、何に依ってたつこともない。とにかく爆発の大きな戦闘シーンを何度も繰り返していればそれでよく、毎回いかにもクライマックス然とした終わりを見せても、またもう一度同じことを初めからやればいいのだ。ドローンの多用にせよ、スローモーションやトリプルアクションの採用にせよ、感傷への傾斜にせよ、毎回ほとんどワンパターンの繰り返し。これを喜ぶも退屈と思うも人それぞれ、なのか?

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