MEMORY メモリーの映画専門家レビュー一覧

MEMORY メモリー

リーアム・ニーソン主演のアクション。裏社会に知られた“完璧な殺し屋”アレックスは、アルツハイマーを発症し、引退を決意。だが、最後の仕事の標的が少女だと知った彼は、“子どもだけは守る”という信念を貫くため、契約を破棄し、真相の究明を開始する。共演は「L.A.コンフィデンシャル」のガイ・ピアース、「007 スペクター」のモニカ・ベルッチ。監督は「007/カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル。
  • 米文学・文化研究

    冨塚亮平

    肉弾戦の分量を抑えつつ、老いや継承のテーマを中心にリベラルな要素を加える。ほぼ同じような条件で量産されているニーソン近作は、逆に言えば細部の工夫でいかに新味を加えるか、作り手の腕が試される場でもあるだろう。アルツハイマーの設定がサスペンスを醸成することもなく、ダラダラと進んでいく本作には創意が決定的に欠けており、惰性で銃に頼ったアクションにも見るべきものはない。せめて近作との差別化ぐらいは意識しなければ、観客の記憶に残る映画にはならないはずだ。

  • 日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰

    降矢聡

    毎回妻や娘を危険にさらしてしまい、苦悩するアクションスターであるリーアム・ニーソン。だから本作で彼の殺しのターゲットがよりによって「誰かの娘」であることは、非常に興味深い。本作の一つのキモは、アルツハイマーを患い、記憶を失っていくというところだが、リーアム・ニーソン映画をいくつか見ている者たちは、記憶を失うどころかこれまでのリーアム・ニーソン映画の記憶とともに、彼がいままでやってきたことと、もうできないことを?み締めることになる。

  • 文筆業

    八幡橙

    強迫神経症の秘密捜査官救出人から、アルツハイマーの殺し屋へ。「ブラックライト」に続きリーアム・ニーソンが演じるは、寄る年波や病ゆえ引退を覚悟した男。アクションにも話の筋にも今一つキレがなかった前作に比べ、80歳目前のマーティン・キャンベルが衰え知らずの華のある演出で魅せる。腕に書かれたメモをガイ・ピアースに見せるなど、記憶繋がりの「メメント」パロディも楽しい、『必殺シリーズ』風味の老練な一本。ニーソンは「探偵マーロウ」で映画出演100作に。天晴。

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